“きび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キビ
語句割合
24.7%
19.3%
10.8%
8.8%
気味8.4%
驥尾7.4%
機微6.1%
吉備4.4%
4.4%
苛酷0.7%
0.7%
己未0.3%
癸未0.3%
厳励0.3%
0.3%
峻烈0.3%
機尾0.3%
羈縻0.3%
0.3%
覊縻0.3%
酷烈0.3%
高粱0.3%
鬼魅0.3%
黄薇0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ犯罪の追及という点がみなきびし過ぎるように思える。私のものは捕物張としてはのんき過ぎるといわれるかもしれないが……。
平次と生きた二十七年 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その中に胡麻ごまきびあわや竹やいろいろあったが、豆はどうであったか、もう一度よく読み直してみなければ見落したかもしれない。
ピタゴラスと豆 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
娘を亡くして気を落としたりしたあげく、残暑のきびしい中の野天で、強い仕事をしたりして暮らしていてはさぞ大変なことだろう。
かまあねえでけ、うなつてあつちへつてからにしろ」勘次かんじ性急せいきふきびしくおつぎをめた。おつぎは仕方しかたなくくのもかまはずにたがやした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
天井を仰向あおむいて視ると、彼方此方あちこちの雨漏りのぼかしたようなしみが化物めいた模様になって浮出していて、何だか気味きびの悪いような部屋だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
伯夷はくい叔齊しゆくせいけんなりといへども、(七三)夫子ふうし益〻ますますあらはれ、顏淵がんえん篤學とくがくなりといへども、(七四)驥尾きびしておこなひ益〻ますますあらはる。
東風君は真面目で「新体詩は俳句と違ってそう急には出来ません。しかし出来た暁にはもう少し生霊せいれい機微きびに触れた妙音が出ます」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吉備きびくに中山なかやま——美作みまさかにある——よ。それがこしのひきまはしにしてゐる、細谷川ほそたにがはおとんできこえることよ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
千一夜譚サウザンドナイツ・エンド・ア・ナイト』に海商シンドバッド一友と樹に上り宿すると夜中大蛇来てその友を肩からみおわりきびしく樹幹をまとうて腹中の人の骨砕くる音が聞えたと出で
母にれ抜いた自分は、常から父をはばかっていた。けれども、本当の底を割って見ると、柔和やさしい母の方が、苛酷きびしい父よりはかえってこわかった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
百姓は蜀麦とうもころしきびのようなものが常食であり、かきの皮の干したのなぞがせいぜい子供のよろこぶ菓子で、今はそんな時勢から見ると、これでもよほど有難い方だと
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
安政六年己未きび 五月、江戸に檻送かんそうせらる。七月、江戸伝馬てんま町の獄に下る。十月二十日、永訣えいけつ書を作る。二十六日、『留魂録』成る。二十七日、刑にく。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
かつ交際の事及び尋常の風説は抜答非亜バタビア瓜哇ジャワ島の府名なり。元和五年己未きび和蘭オランダの人全島を奪い、闍瓦剌ジャガタラ城を改め抜答非亜バタビアという)の総督より告奉つげたてまつるを以て
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
壽阿彌の假名文は海録に讓つてこゝに寫さない。末に「文政六年癸未きび四月眞志屋五郎作新發意しんぼつち壽阿彌陀佛」と署して、邦字の華押くわあふがしてある。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
臺石に長島氏とり、上に四人の法諡ほふしが並記してある。二人は女子、二人は小兒である。「馨譽慧光大※けいよゑくわうだいし、文政六年癸未きび十月二十七日」は別本に十二代五郎兵衞※、實は叔母しゆくぼと註してある。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
それで父の意も解け、顔色がんしょくも和らぐことかと思ったのは間違いで、父は恐ろしく厳励きびしい声で、私に怒鳴りつけて来ました。
「おいきび、僕はいつも女の首ってぼのはこのぶえもなく美妙なぼのと考えるね。」
物に感じやすい捨吉はこの婦人と田辺のお婆さんや姉さんとの女同志の峻烈きびしい関係を読むように成った。殊にそれを一緒に食台ちゃぶだいに就く時に読んだ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「耳をましてごらん。エンジンの音がきこえるだろう。ロケットの機尾きびから、瓦斯ガスを出している音もするだろう」
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
西暦八世紀の初頃から、石國を始め其附近の諸胡國は、或時は唐に或時は大食タージに、國威の盛なる方に羈縻きびされる姿となつた。
紙の歴史 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
「義雄の追求の仕方があまりきびしかったんだろうッて、俺は台湾の方に居てお秋(あによめの名)と二人でそのうわさをしていたよ——」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
而して往々報恩感謝等の美名の下に先進者の意志を束縛して顧みず甚だ奇怪なり。文事に覊縻きびなし文壇もと悠々自適の天地たるべきなり。然るに猶此の煩累あるを免れず。悲しまざるべけんや。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『いや、もう屋外そとは寒いの寒くないのツて、手も何もかじかんで了ふ——今夜のやうに酷烈きびしいことは今歳ことしになつて始めてだ。どうだ、君、是通りだ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「満州なんかだめだよ、酒は高粱きびの酒で、うものは、ぶたか犬かしかないと云うじゃねえか、だめだよ、魚軒さしみなだ生一本きいっぽんでなくちゃ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
竹間ちくかん梅棕ばいそう森然しんぜんとして鬼魅きび離立笑髩りりつしょうひんじょうのごとし。二三子相顧あいかえりみ、はく動いていぬるを得ず。遅明ちめい皆去る
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
荏土えど黄薇きびとの間に取り替されたからであらう。わたくしは此書をめぐむさんに借りて、多少の価値ありと認むべき数条を抄出する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)