“おご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オゴ
語句割合
50.6%
30.5%
11.8%
1.7%
1.2%
1.2%
0.5%
0.5%
散財0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
尾籠0.2%
石炭奢0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつの間にやらだんだん口がおごって来て、三度の食事の度毎たびごとに「何がたべたい」「かにがたべたい」と、としに似合わぬ贅沢を云います。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
みぎ車麩くるまぶのあるのをつけて、おかみさんと馴染なじみだから、家内かないたのんで、ひとかゞり無理むりゆづつてもらつたので——少々せう/\おかゝをおごつてた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おごったことをもうすようですが、こいつの口は、あげな棒っ切れのようなものを食べるようには、できておらんのでござります」
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それだけに、おごそかな天の荒ら息吹いぶきを真向にうけるのだから、弱虫やなまけ者、卑劣漢や臆病ばらには、とうてい辛抱しきれるものではあるまい。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
我はそのやさしき假面の背後に、人におごる貴人の色あるを見て、友の無情なるを恨むのみにて、かの猶太廓の戀のなりゆきを問ふにいとまあらざりき。
空は完全に晴れ上がって、太陽の輝きには夏の最後のおごりがあった。谷を吹き上げる南風がトリカブトの群落をなでて、水ぎわをはるかに離れた身体には汗が感じられる。
二つの松川 (新字新仮名) / 細井吉造(著)
その職業にたいする特殊の能力なしに、ただ父の業を受け継いだのだった。それ以来万事が好都合にいったので、自分が生来賢明なからだとおごっていた。
そのとしうるう九月、たま/\天文てんもんの変ありて、みことのりを下し直言ちょくげんを求められにければ、山西さんせい葉居升しょうきょしょうというもの、上書して第一には分封のはなはおごれること、第二には刑を用いるはなはしげきこと
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
アハハハそれも道理もっともじゃ、今に来たらばよく見てくれ、まあ恐らくここらに類はなかろう、というものだ。おや恐ろしい、何を散財おごって下さります、そして親方、というものは御師匠さまですか。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
宮はやうやうおもてを向けて、さてしとやかに起ちて、うやうやしく礼するを、唯継は世にも嬉しげなる目して受けながら、なほ飽くまでもおごたかぶるを忘れざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唯継は例のおごりて天をにらむやうに打仰うちあふぎて、杖の獅子頭ししがしら撫廻なでまはしつつ、少時しばらく思案するていなりしが、やをら白羽二重しろはぶたへのハンカチイフを取出とりいだして、片手に一揮ひとふりるよと見ればはなぬぐへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「ほだなあ、にしいだ頃から見れば、坪あだり五厘ずつあがったがら、七十五銭ぐらいにはなんのさな。天気がよくて、唐鍬とうぐわせえ持って出れば、十六七坪はおごすから。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「十六七坪もおごすの、なかなか骨だべちゃ?」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
うつとしておごそかに立てる影かな。
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
現にこの狩集村は、今も阿蘇郡古城こじょう村大字手野字尾籠おご小字こあざとなって存在する。人の集合する所をたまりということは普通の例である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
季節はいつでもよいが、夏など口の不味まずい時に、これを饗応きょうおうすれば、たいていの口のおごった人でも文句はいわないだろう。
車蝦の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
派手なもの、渋いもの、おごれるもの、貧しいもの、飾るもの、用いるもの、等しく焼物とはいうが美においては右と左とに別れる。見る眼により心の置場により選ぶ美の道は異なる。
北九州の窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)