“たかぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.5%
15.3%
昂奮5.1%
5.1%
5.1%
亢進1.7%
昂進1.7%
激昂1.7%
1.7%
1.7%
興奮1.7%
1.7%
高府1.7%
高慢振1.7%
高振1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて、睡ろうとはしたが、私の神経は、いやにたかぶっていて、いつものように五分とたたないうちに睡りに入るなどということは不可能だった。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たかぶった上気であった。足を踏んだり手をふったり口を鳴らしたりした。おまけに夏の陽が照りつけていた。暑さの刺激はじっとしていられないのである。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
その時ドアを叩く音がしたのでスパイダーは言葉を途切らせた。彼は坐勢いずまいを正し昂奮たかぶった神経を静めようとした。
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その人にたかぶらない態度が、伝右衛門にとっては、物足りないと同時に、一層の奥床しさを感じさせたと見えて、今まで内蔵助の方を向いていた彼は
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
笑って、自らたかぶ
色のない旗 (新字新仮名) / 竹内浩三(著)
と、神経の亢進たかぶったようにはねつけた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ただごうっと吹く風の音、ばらばらっと板屋を打つ雨の音にばかり神経は昂進たかぶるのである。新聞も読掛けてよした。雑誌も読掛けたまま投げてやった。
大雨の前日 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
心臓が、激昂たかぶつたりまた鎮まつたりする、夜を彼女は望んでゐました。
赤くてまた黒い薔薇ばらの花、いやにたかぶつて物隱しする薔薇ばらの花、赤くてまた黒い薔薇ばらの花、おまへのたかぶりも、赤味あかみも、道徳がこしらへる妥協の爲にしらつちやけてしまつた、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
原稿に向つたが気がたかぶつて書けない、妹の泣声がシク/\聞える。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
興奮たかぶった恋情にひしと抱き合った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宮はやうやうおもてを向けて、さてしとやかに起ちて、うやうやしく礼するを、唯継は世にも嬉しげなる目して受けながら、なほ飽くまでもおごたかぶるを忘れざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
信洲の高府たかぶ街道というのは、犀川から支流の土尻どじり川の岸に沿うて越える山路だが、水分れの高原には青具あおくという村があって、五月の月末に桃山吹山桜が盛りであった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
村人の知っている若い美しい奥様は少しもそんな名高い音楽家のような高慢振たかぶった様子などは微塵もなく、いつどこでお眼にかかっても
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
これはあながち主人が高振たかぶりをした訳ではない。ただ朦朧もうろうたる頭脳から好い加減に流れ出す言語と見ればつかえない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)