たかぶ)” の例文
わが導者曰ふ、このたかぶる者比類たぐひなきジョーヴェにさからひておのが能力ちからをためさんとおもへり、此故にこのむくいをうく 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その人にたかぶらない態度が、伝右衛門にとっては、物足りないと同時に、一層の奥床しさを感じさせたと見えて、今まで内蔵助の方を向いていた彼は
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まったく、弱者と見てたかぶり、群集を頼み、旅先を茶にして、彼ら観光団の俗悪者は不法を不法と思わず、無礼のありったけを尽したに相違ない。無邪気といえば無邪気かも知れぬ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)