“激昂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げっこう66.7%
げきこう23.2%
げきかう9.1%
たかぶ1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婦人たちはみんなひどく激昂げっこうしていましたが何分相手が異教の論難者でしたので卑怯ひきょうに思われない為に誰も異議を述べませんでした。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
仮に感情の激昂げっこうを抑えることができないような場合には、どなる代りに丁寧な言葉を使い、わめく代りにあいそ笑いをするようにつとめる。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ドミトリイ・フョードロヴィッチは、まるで激昂げっこうしたように座を立ったが、不意に彼は酔っ払ったようになった。彼の両眼は急に血走ってきた。
鬼を激昂げっこうさせる手段として、東京でも洗濯だけはいうが、こうなると、もう一つの演劇であって、しかも作者は土地の子どものほかにありえない。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
田中の顔はにわかに変った。羞恥しゅうちの念と激昂げっこうの情と絶望のもだえとがその胸をいた。かれは言うところを知らなかった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
しかりといえども勝氏もまた人傑じんけつなり、当時幕府内部の物論ぶつろんはいして旗下きかの士の激昂げきこうしず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ことに若い人たちの間には一種の重苦しい波動が伝わったらしく、物をいう時、彼らは知らず知らず激昂げきこうしたような高い調子になっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と、かなり激昂げきこうしたような声が、みんなの耳をいきなり刺激しげきした。それは次郎の耳にはききおぼえのある、しゃがれた声だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その挑戦的ちょうせんてきな態度が徳川方を激昂げきこうさせて東西雄藩の正面衝突が京都よりほど遠からぬ淀川よどがわ付近の地点に起こったとのうわさも伝わった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それが、青年の精一杯の反抗であった。青年の顔は、今蒼白そうはくに変じ、彼の言葉は、激昂げきこうのために、ふるえた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
カン蛙は、野鼠の激昂げきかうのあんまりひどいのに、しばらくはあきれてゐましたが、なるほど考へて見ると、それも無理はありませんでした。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
国民は激昂げきかうして弁護人たる田村や金山にあてて、「逆徒の弁護をするなら首がないぞ」と云ふ様な投書をいくらもつきつけた。
畜生道 (新字旧仮名) / 平出修(著)
と何か別の事でも非常に激昂げきかうして居るらしい心を、彼の犬の方へうつして、ヒステリカルな声で散々に吐鳴どなり立てた。
「さうですわね——『人生の激しい激昂げきかうの後、彼等はよく眠つてゐる』」と私は呟いた。「あら、何處へいらつしやいますの、フェアファックス夫人?」彼女は何處かへ行かうとしてゐたから。
與之松はすつかり激昂げきかうして、平次へ喰つてかゝりさうな氣勢を見せるのでした。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
心臓が、激昂たかぶつたりまた鎮まつたりする、夜を彼女は望んでゐました。