“打仰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちあお63.6%
うちあふ36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
籠は上に、棚のたけやや高ければ、打仰うちあおぐやうにした、まゆの優しさ。びんの毛はひた/\と、羽織のえりに着きながら、肩もうなじも細かつた。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この影の奥深くに四阿屋あずまやがある。腰をかけると、うしろさえぎるものもない花畠はなばたけなので、広々と澄み渡った青空が一目ひとめ打仰うちあおがれる。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かごうへに、たなたけやゝたかければ、打仰うちあふぐやうにした、まゆやさしさ。びんはひた/\と、羽織はおりえりきながら、かたうなじほそかつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
唯継は例のおごりて天をにらむやうに打仰うちあふぎて、杖の獅子頭ししがしら撫廻なでまはしつつ、少時しばらく思案するていなりしが、やをら白羽二重しろはぶたへのハンカチイフを取出とりいだして、片手に一揮ひとふりるよと見ればはなぬぐへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)