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打仰
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うちあお
ふりがな文庫
“
打仰
(
うちあお
)” の例文
籠は上に、棚の
丈
(
たけ
)
稍
(
やや
)
高ければ、
打仰
(
うちあお
)
ぐやうにした、
眉
(
まゆ
)
の優しさ。
鬢
(
びん
)
の毛はひた/\と、羽織の
襟
(
えり
)
に着きながら、肩も
頸
(
うなじ
)
も細かつた。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この影の奥深くに
四阿屋
(
あずまや
)
がある。腰をかけると、
後
(
うしろ
)
は
遮
(
さえぎ
)
るものもない
花畠
(
はなばたけ
)
なので、広々と澄み渡った青空が
一目
(
ひとめ
)
に
打仰
(
うちあお
)
がれる。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そのときまだ年若き宮女一人、
殿
(
しんがり
)
めきてゆたかに歩みくるを、それかあらぬかと
打仰
(
うちあお
)
げば、これなんわがイイダ姫なりける。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それほど
由緒
(
ゆかり
)
のない建築もまたはそれほど
年経
(
としへ
)
ぬ樹木とても何とはなく
奥床
(
おくゆか
)
しくまた悲しく
打仰
(
うちあお
)
がれるのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
庵室
(
あんじつ
)
から
打仰
(
うちあお
)
ぐ、石の
階子
(
はしご
)
は
梢
(
こずえ
)
にかかって、
御堂
(
みどう
)
は屋根のみ浮いたよう、緑の雲にふっくりと沈んで、山の
裾
(
すそ
)
の、
縁
(
えん
)
に迫って
萌葱
(
もえぎ
)
なれば、あま
下
(
さが
)
る
蚊帳
(
かや
)
の外に、
誰
(
たれ
)
待つとしもなき二人
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
怪異なる
鬼瓦
(
おにがわら
)
を起点として奔流の如く傾斜する寺院の瓦屋根はこれを下から
打仰
(
うちあお
)
ぐ時も、あるいはこれを上から
見下
(
みおろ
)
す時も共に言うべからざる爽快の感を
催
(
もよお
)
させる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と夫人は声を沈めたが、
打仰
(
うちあお
)
ぐやうに籠を
覗
(
のぞ
)
いた。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
凱旋門
(
がいせんもん
)
をばあれほど高く、あれほど大きく、
打仰
(
うちあお
)
ごうとするには、ぜひともその下で、乱入した
独逸
(
ドイツ
)
人が、シュッベルトの進行曲を奏したという、
屈辱
(
くつじょく
)
の歴史を思返す必要がある。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と白い
掌
(
たなそこ
)
を、膝に
仰向
(
あおむ
)
けて
打仰
(
うちあお
)
ぎ
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“打”で始まる語句
打
打擲
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打毀