打仰うちあふ)” の例文
かごうへに、たなたけやゝたかければ、打仰うちあふぐやうにした、まゆやさしさ。びんはひた/\と、羽織はおりえりきながら、かたうなじほそかつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
唯継は例のおごりて天をにらむやうに打仰うちあふぎて、杖の獅子頭ししがしら撫廻なでまはしつつ、少時しばらく思案するていなりしが、やをら白羽二重しろはぶたへのハンカチイフを取出とりいだして、片手に一揮ひとふりるよと見ればはなぬぐへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
アヽと溜息ためいきかみしめるさぶさにふるひて打仰うちあふおもて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「さればさ、先刻さつきかららぬから、お天氣てんきでござらう。」とひつゝそら打仰うちあふぎて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しとねの上に舁下かきおろされし貫一はくづるるたいを机に支へて、打仰うちあふぎつつ微吟せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夫人ふじんこゑしづめたが、打仰うちあふぐやうにかごのぞいた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貫一は身をめぐらして臂枕ひざまくら打仰うちあふぎぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)