“生一本”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きいっぽん91.9%
きいつぽん8.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「満州なんかだめだよ、酒は高粱きびの酒で、うものは、ぶたか犬かしかないと云うじゃねえか、だめだよ、魚軒さしみなだ生一本きいっぽんでなくちゃ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と彼はいっとき腹をかためてはいた。しかし、龍泉殿の生一本きいっぽんな気性は彼も知っている。取り返しのつかぬことはしてはならない。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まことに正味の茶には相違ないが、いかに言つても生一本きいつぽんで、灰汁あくが強い。それに思つたほどの味が出ない。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
不確な自分勝手の速断の為めに二人の友情をまで汚すのは彼には忍びがたいことだつた。此の生一本きいつぽんの男は何処までも真清無垢しんせいむくとして置かずにはすまなかつた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)