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緊
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きび
ふりがな文庫
“
緊
(
きび
)” の例文
彼少女は粗暴なる少年に車を
挽
(
ひ
)
かれて、
且
(
かつ
)
は
懼
(
おそ
)
れ且は喜びたりき。彼少女は
面紗
(
めんさ
)
を
緊
(
きび
)
しく引締めて、身をば車の片隅に寄せ居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『
千一夜譚
(
サウザンドナイツ・エンド・ア・ナイト
)
』に海商シンドバッド一友と樹に上り宿すると夜中大蛇来てその友を肩から
嚥
(
の
)
みおわり
緊
(
きび
)
しく樹幹を
纏
(
まと
)
うて腹中の人の骨砕くる音が聞えたと出で
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし革紐が
緊
(
きび
)
しく張っているのと、痙攣のように体が顫うのとを見れば、非常な努力をしているのが知れる。ある恐るべき事が目前に行われているのが知れる。
罪人
(新字新仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
若僧は先づ自ら尻を高く端折つて蓑を甲斐〻〻しく手早く着けて、そして大器氏にも手伝つて一ツの蓑を着けさせ、竹の皮笠を被せ、其紐を
緊
(
きび
)
しく結んで呉れた。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
二重の
玻璃窻
(
ガラスまど
)
を
緊
(
きび
)
しく鎖して、大いなる陶爐に火を焚きたる「ホテル」の食堂を出でしなれば、薄き外套を透る午後四時の寒さは殊さらに堪へ難く、
膚
(
はだへ
)
粟立つと共に
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
女はいよいよ
緊
(
きび
)
しく抱き付いた。男が、「どうだ、己のいう通りにしないか」と云っても、女は返事をせずに、顔を見上げている。相手のいう事が分からない様子である。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
眠られぬままに
過去
(
こしかた
)
将来
(
ゆくすえ
)
を思い
回
(
めぐ
)
らせば回らすほど、尚お気が
冴
(
さえ
)
て眼も合わず、これではならぬと気を取直し
緊
(
きび
)
しく両眼を閉じて
眠入
(
ねい
)
ッた
風
(
ふり
)
をして見ても自ら
欺
(
あざむ
)
くことも出来ず
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
もうわたしの心も魂も
緊
(
きび
)
しく捉われて
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
舟人は
艣
(
ろ
)
を棄てゝ、手もて水をかき、われ等は身を舟中に横へしに、ララは
屏息
(
へいそく
)
して
緊
(
きび
)
しく我手を握りつ。暫しありて、舟は大穹窿の内に入りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
若僧は先ず
自
(
みずか
)
ら尻を高く
端折
(
はしょ
)
って蓑を
甲斐〻〻
(
かいがい
)
しく手早く着けて、そして大噐氏にも手伝って一ツの蓑を着けさせ、竹の
皮笠
(
かわがさ
)
を
被
(
かぶ
)
せ、その
紐
(
ひも
)
を
緊
(
きび
)
しく結んでくれた。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
夜の舞臺と
緊
(
きび
)
しく使はれ、芝居の化粧部屋に入りてこそ紅粉をも粧ひ、美しき衣をも纒へ、場外にてはひとり身の衣食も足らず勝なれば、親腹からを養ふものはその辛苦
奈何
(
いかに
)
ぞや。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
狐が介の開けるを見、その肉を食わんと
喙
(
くちばし
)
を突っ込んで
緊
(
きび
)
しく締められ、顛倒して悶死した処へ往き会わせたアラビア人が介の口に何か光るを見、破って最高価の真珠を獲たと記す。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
緊
(
きび
)
しく煩悩の鎖に繋がれ、11885
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
身体中に神経がピンと
緊
(
きび
)
しく張ったでもあるように思われて、
円味
(
まるみ
)
のあるキンキン声はその音ででも有るかと聞えた。しかしまたたちまちグッタリ沈んだ
態
(
てい
)
に
反
(
かえ
)
って
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こは我生涯の未來の幾齣のために、舞臺の幕を
緊
(
きび
)
しく閉づべき綱なりしを奈何せん。
已
(
や
)
みぬるかな。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
夜の舞台と
緊
(
きび
)
しく使はれ、芝居の化粧部屋に入りてこそ紅粉をも粧ひ、美しき衣をも纏へ、場外にてはひとり身の衣食も足らず勝なれば、親腹からを養ふものはその辛苦
奈何
(
いかに
)
ぞや。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「この度の処分はただ一つしかないとわたくしは思う。
玄碩
(
げんせき
)
さんはわたくしの宅で
詰腹
(
つめばら
)
を切らせます。小野さんも、お
姉
(
あね
)
えさんも、三坊も御苦労ながらお
立会
(
たちあい
)
下さい。」言い
畢
(
おわ
)
って貞固は
緊
(
きび
)
しく口を
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
緊
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“緊”を含む語句
緊張
緊乎
緊着
引緊
抱緊
緊要
緊縛
緊縮
緊束
緊金
咬緊
握緊
緊那羅
緊褌
緊迫
緊密
緊直
下緊
固緊
緊箍咒
...