“握緊”の読み方と例文
読み方割合
にぎりし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ黙って、一郎の冷たい手を握緊にぎりしめるのだった。それ以上なにを云う必要があろう。今こそ父と子とはぴったりと結び着いたのだ。
劇団「笑う妖魔」 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
はじめて心付くと、厠の戸で冷く握って、今まで握緊にぎりしめていた、左のこぶしに、細い尻尾のひらひらと動くのは、一ぴき守宮やもりである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仙太は目をみはりて、我にもあらでひしと握緊にぎりしむる手を、女は慌てて振払い
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)