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『片男波』
ふりがな文庫
『
片男波
(
かたおなみ
)
』
降続きたる卯の花くだしようようはれて、かき曇りたる天もところどころ雲の切間を、朧なる五日の月は西へ西へと急ぐなり。千載茲許に寄せては返す女浪男浪は、例の如く渚を這上る浪頭の彼方に、唯形ばかりなる一軒立の苫屋あり。暮方より同じ漁師仲間の誰彼寄 …
著者
小栗風葉
初出
「文藝倶樂部 第二巻第九編臨時増刊 海嘯義捐小説」博文館、1896(明治29)年7月25日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約10分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
美
(
はなや
)
後退
(
あとすさ
)
沈
(
しずみ
)
流行
(
ながれゆ
)
頸
(
くびったま
)
生
(
いき
)
不好
(
すかぬ
)
立
(
だち
)
言
(
いい
)
傾斜
(
かたむき
)
言出
(
いいいだ
)
遺
(
お
)
透
(
すかし
)
這
(
はい
)
失
(
なく
)
密
(
そつ
)
繋留
(
つなぎと
)
真
(
ほん
)
跂
(
はね
)
天
(
そら
)
他
(
よそ
)
哭
(
なき
)
降
(
ふり
)
前
(
めえ
)
助
(
たすけ
)
様
(
さん
)
何処
(
いずく
)
振
(
ふり
)
湿
(
うる
)
俺
(
おら
)
思凝
(
おもいづめ
)
思
(
おもい
)
動出
(
ゆるぎいだ
)
罪人
(
とがにん
)
後
(
うしろ
)
端
(
は
)
砂塵
(
すなぼこり
)
的
(
あて
)
頸
(
うなじ
)
流
(
ながれ
)
一思
(
ひとおもい
)
踏
(
ふみ
)
止
(
よ
)
誰彼
(
だれかれ
)
断然
(
きっぱり
)
引抱
(
ひんだ
)
形
(
かた
)
微
(
かすか
)
応答
(
こたえ
)
思凝
(
おもいつ
)
怨
(
うらみ
)
問
(
とい
)
怪
(
あや
)
取
(
とり
)
持
(
もち
)
摩
(
ま
)
便
(
たより
)
声音
(
こわね
)
襤褸
(
ぼろ
)
鼕
(
ど
)
女浪
(
めなみ
)
顫
(
ふる
)
訝
(
いぶか
)
奪
(
と
)
大濤
(
おおなみ
)
反復
(
くりかえ
)
面
(
おもて
)
頂
(
いただき
)
辞
(
ことば
)
辞半
(
ことばなかば
)
噤
(
つぐ
)
響
(
ひびき
)
遑
(
いとま
)
只管
(
ひたすら
)
重量
(
おもみ
)
真砂
(
まさご
)
斜
(
ななめ
)
汀
(
みぎわ
)
沈行
(
しずみゆ
)
握緊
(
にぎりし
)
推拭
(
おしぬぐ
)
消行
(
きえゆ
)
源様
(
げんさん
)
濁浪
(
だくろう
)
手頭
(
てさき
)
男浪
(
おなみ
)
戦
(
おのの
)
衝
(
つ
)
真黯
(
まっくら
)
睚
(
まぶた
)
瞪
(
みは
)
思切
(
おもいき
)
端
(
はし
)
綿
(
わた
)
縋
(
すが
)
腓
(
こむら
)
苫屋
(
とまや
)
茲許
(
ここもと
)