“誰彼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たれかれ57.7%
だれかれ34.6%
たそがれ3.8%
たそが1.9%
たれか1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ発車には余程あいだがあるのに、もう場内は一杯の人で、雑然ごたごたと騒がしいので、父が又狼狽あわて出す。親しい友の誰彼たれかれも見送りに来て呉れた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ほんとに、どうしてああ誰彼だれかれなしに寄せつけながら、その癖、自分の振舞いにちゃんと節度を保つことが出来るのでしょうね。」
早や暮れかかって、ちらちらとともれる、灯の数ほど、ばらばら誰彼たそがれの人通り。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、親仁がもっともらしい顔色かおつきして、ニヤリともしないでほざくと、女どもはどっと笑って、線香の煙の黒い、吹上げのしぶきの白い、誰彼たそがれのような中へ、びしょびしょと入ってく。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路傍の花いまゝでは誰彼たれかれの差別なしに手折たおることが出来る、いよ/\花里の身があがなわれて見れば、なか/\自由にはなりません、ぬしあるお庭の桜でげす。