“手折”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たお70.7%
たを19.5%
たおっ2.4%
たをり2.4%
たをる2.4%
タヲ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「よその垣であろうが踏みこえて、つい手折たおりとうなるほどな花を、忠興は家内にお持ちじゃな。……麗しい! 淀よりは美しい」
これは寧ろ、黒人の、「いざ児ども大和へ早く白菅しらすげ真野まぬ榛原はりはら手折たをりて行かむ」(巻三・二八〇)の方がまさっているのではなかろうか。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
太吉は炉辺ろばたに坐って、青竹を切って笛を造りながら、杉の葉や枯れた小枝を手折たおってはこれに火を焚付たきつけて、湯を沸して町から母の帰るのを待っていた。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
父母ちゝはゝのおん為に。経の偈文げもん謄写かきうつして。前なる山川におし流し。春は花を手折たをりて。仏に手向たむけ奉り。秋は入る月にうそぶきて。そゞろ西天にしのそらこふめり。
つみあらそひしむかしはなんりし野河のがはきしきくはな手折たをるとてなが一筋ひとすじかちわたりしたまときわれはるかに歳下とししたのコマシヤクレにもきみさまのたもとぬれるとて袖襻そでだすきかけてまゐらせしを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
山城の久世の社に 草な手折タヲりそ。しが時と、立ち栄ゆとも、草なたをりそ(万葉巻七)