“砂塵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さじん68.3%
すなぼこり9.8%
さぢん9.8%
すなほこり4.9%
しゃじん4.9%
すなけむり2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
満地まんち満天まんてんに木々の落葉おちばをふき巻くりあれよと見るまに、咲耶子は砂塵さじんをかおに吹きつけられて、あ——とまなこをつぶされてしまう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折から月は全く西のに落ちて、水やそら、黒白も分かぬ沖の方に、さながら砂塵すなぼこりのごとき赭土色のもうもうと立ち迷うを見たり。
片男波 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
自動車の旅と少しも変らない程、砂塵さぢんが何処からか吹き込んで来るのには、二人とも閉口だつた。どんな贅沢ぜいたくな設備も、黄ろい砂塵の吹きこむ列車は不潔である。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
しかし植林の善き感化はこれにとどまりませんでした。樹木の繁茂は海岸より吹き送らるる砂塵すなほこりの荒廃をめました。
(あれ。)と云う声がうしろへ、ぱっと吹飛ばされる風に向って、砂塵しゃじんの中へ、や、躍込むようにして一散にけて返った。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その眞先まつさき砂塵すなけむり蹴立けたてゝ、かけつてるのはまさしく猛犬稻妻まうけんいなづま