“砂塵”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さじん68.4%
さぢん10.5%
すなぼこり7.9%
しゃじん5.3%
すなほこり5.3%
すなけむり2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空っ風と一緒に吹き上げてくる砂塵さじんに顔をそむけそむけしながら、彼はさっきからいくたびそう心のうちつぶやいたことであろう。
五階の窓:03 合作の三 (新字新仮名) / 森下雨村(著)
——つまり、芦の茂みに砂や土がまり、流れて来た小枝や枯葉が溜まり、そこへまた砂塵さじんや土が混って、洲の一段が出来あがる。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
市街をめぐる山々は美しく、鮮かな緑に燃え、谷山方面は白く砂塵さじんがかかり、赤土の切立地きりたてちがぼんやりとかすんでいた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
自動車の旅と少しも変らない程、砂塵さぢんが何処からか吹き込んで来るのには、二人とも閉口だつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
自動車の太輪ふとわ砂塵さぢんもうもうとたちけむりつつ道のの桜
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
枯野行く幌馬車マアチヤの軋みきこえゐて春浅きかなや砂塵さぢんあがれり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その日は風の多い日で、半蔵らは柳原やなぎわらの土手にかかるまでに何度かひどい砂塵すなぼこりを浴びた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのたびに半蔵らは口をふさぎ、顔をそむけて、深い砂塵すなぼこりの通り過ぎるのを待った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それに巻上げられた砂塵すなぼこりに、行列の人々ことごとく押包まれた。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
(あれ。)と云う声がうしろへ、ぱっと吹飛ばされる風に向って、砂塵しゃじんの中へ、や、躍込むようにして一散にけて返った。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
砂塵しゃじんのようになった破片がおさまると、さっきまで見えていた大時計台が、どこへけし飛んだか姿を消していて、屋敷跡へ目を向けた者の背筋せすじを冷くした。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
北海沿岸特有の砂丘すなやまは海岸近くに喰い止められました、もみは根を地に張りて襲いくる砂塵すなほこりに対していいました、
樹木の繁茂は海岸より吹き送らるる砂塵すなほこりの荒廃をめました。
蠣殻町から汚い水のおどんだ堀割を新材木町の方へ渡ってゆくと、短い冬の日はもう高いむね彼方かなたに姿を隠して、夕暮らしい寒い風が問屋物とんやものを運搬する荷馬車のきしって行く跡からかわききった砂塵すなほこりを巻き揚げていった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
その眞先まつさき砂塵すなけむり蹴立けたてゝ、かけつてるのはまさしく猛犬稻妻まうけんいなづま