“すなぼこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
砂埃82.1%
砂塵14.3%
砂塵埃3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、私自身でも思いがけなかったほど、その柱はひどくグラグラしていて天井から砂埃すなぼこりが二人の襟足えりあし雲脂ふけのように降りかかって来た。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そのたびに半蔵らは口をふさぎ、顔をそむけて、深い砂塵すなぼこりの通り過ぎるのを待った。乾燥しきった道路に舞い揚がる塵埃ほこりで、町の空までが濁った色に黄いろい。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
戸外そとは寒い風が、道路みちに、時々軽い砂塵埃すなぼこりを捲いていた。その晩は分けて電車の音も冴えて響いた。ましておとりさまと、女中などの言うのを聞けば、何となく冬も急がれる心地がする。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)