“さじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サジン
語句割合
砂塵87.5%
左刃3.1%
沙参3.1%
沙塵3.1%
砂埃3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
濛々もうもうと煙る砂塵さじんのむこうに青い空間が見え、つづいてその空間の数が増えた。壁の脱落したところや、思いがけない方向から明りがして来る。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
この日のかれの働きに、やや左刃さじんの弱さかと思われた点は、ひと太刀で絶命するような斬れぶりのないことだった。瞬一瞬、手負いは増して行ったが、まだ一名の死者も出ない。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宿題は「園中秋草花盛開」で、蘭軒は五絶の体を以て、紫苑、秋海棠、葒児こうじ鴨跖草あふせきさう玉簪花ぎよくさんくわ地楡ちゆ沙参さじん野菊やきく秋葵しうきの諸花を詠じた。席上課題は「柬友人約中秋飲」で、蘭軒に七絶一があつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その頃から風がつのりだして、暗黒の街中は沙塵さじんがひどく舞った。曹仁、曹洪らの首脳は城に入って、帷幕いばくのうちで酒など酌んでいた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて自動車は、ゴールにはいるランナーのように、砂埃さじんを立てて一段とヘビーをかけた。直線コースにはいるに従って、白塗の停車場スタンドがギラギラ光って見えはじめた。
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)