砂塵しゃじん)” の例文
(あれ。)と云う声がうしろへ、ぱっと吹飛ばされる風に向って、砂塵しゃじんの中へ、や、躍込むようにして一散にけて返った。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
砂塵しゃじんのようになった破片がおさまると、さっきまで見えていた大時計台が、どこへけし飛んだか姿を消していて、屋敷跡へ目を向けた者の背筋せすじを冷くした。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)