“背筋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せすじ78.9%
せすぢ21.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背筋せすじの通った黄なひらが中へ中へと抱き合って、真中に大切なものを守護するごとく、こんもりと丸くなったのもある。松の鉢も見える。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
戸をあけると、大河は坐禅ざぜんでも組んでいたかのように、背筋せすじをのばしてあぐらをかいていた。かれの前の机の上には、何一つのっていなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
邪慳じやけんに、胸先むなさきつて片手かたて引立ひつたてざまに、かれ棒立ぼうだちにぬつくりつ。可憐あはれ艶麗あでやかをんな姿すがたは、背筋せすぢ弓形ゆみなりもすそちうに、くびられたごとくぶらりとる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
讀者よ(願はくは神汝に讀みてを摘むことをえしめよ)、請ふ今自ら思へ、目の涙背筋せすぢをつたひて 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)