背筋せすぢ)” の例文
邪慳じやけんに、胸先むなさきつて片手かたて引立ひつたてざまに、かれ棒立ぼうだちにぬつくりつ。可憐あはれ艶麗あでやかをんな姿すがたは、背筋せすぢ弓形ゆみなりもすそちうに、くびられたごとくぶらりとる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
讀者よ(願はくは神汝に讀みてを摘むことをえしめよ)、請ふ今自ら思へ、目の涙背筋せすぢをつたひて 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
天気模様てんきもやう如何いかゞでせうな。」「さあ——」「るのはかまひませんがね、その雷様かみなりさまは——」小笠原氏をがさはらしは、ほろなしのくるまに、よこざまに背筋せすぢぢて、まどこしけたやうなかたち
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
麦稈帽むぎわらぼう鷲掴わしづかみに持添もちそへて、ひざまでの靴足袋くつたびに、革紐かはひもかたくかゞつて、赤靴あかぐつで、少々せう/\抜衣紋ぬきえもん背筋せすぢふくらまして——わかれとなればおたがひに、たふげ岐路えだみち悄乎しよんぼりつたのには——汽車きしやからこぼれて
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
背筋せすぢこし、ふくらはぎ。……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)