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背筋
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せすぢ
と
邪慳に、
胸先を
取つて
片手で
引立てざまに、
渠は
棒立ちにぬつくり
立つ。
可憐や
艶麗な
女の
姿は、
背筋を
弓形、
裳を
宙に、
縊られた
如くぶらりと
成る。
讀者よ(願はくは神汝に讀みて
實を摘むことをえしめよ)、請ふ今自ら思へ、目の涙
背筋をつたひて 一九—二一
「
天気模様は
如何でせうな。」「さあ——」「
降るのは
構ひませんがね、その
雷様は——」
小笠原氏は、
幌なしの
車に、
横ざまに
背筋を
捻ぢて、
窓に
腰を
掛けたやうな
形で
飛び
飛び
麦稈帽を
鷲掴みに
持添へて、
膝までの
靴足袋に、
革紐を
堅くかゞつて、
赤靴で、
少々抜衣紋に
背筋を
膨らまして——
別れとなればお
互に、
峠の
岐路に
悄乎と
立つたのには——
汽車から
溢れて
背筋、
腰、ふくら
脛。……