“抜衣紋”の読み方と例文
旧字:拔衣紋
読み方割合
ぬきえもん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、争われないのは、不具者かたわ相格そうごう、肩つきばかりは、みじめらしくしょんぼりして、の熊入道もがっくり投首の抜衣紋ぬきえもんで居たんだよ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一人は五十ばかりの梅干婆、毛の薄い頭に小さな髷を乗せ、一楽かなんぞの大時代な衣裳を抜衣紋ぬきえもんにし、長火鉢の中に顎を突入れんばかりにして
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
お妾は抜衣紋ぬきえもんにした襟頸えりくびばかり驚くほど真白に塗りたて、浅黒い顔をば拭き込んだ煤竹すすだけのようにひからせ、銀杏返いちょうがえしの両鬢りょうびん毛筋棒けすじを挿込んだままで
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)