“抜刀”のいろいろな読み方と例文
旧字:拔刀
読み方割合
ぬきみ76.9%
ばっとう12.8%
すっぱぬき2.6%
ぬい2.6%
ぬき2.6%
ばつたう2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
抜刀ぬきみの両人、文治のうしろより鋭く切掛けました。其の時早く文治は前に押えた腕を捩上ねじあげ、同役二人ににん振下ふりおろす刀の下へ突付けました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と一同を制して、其の中の重立おもだちたる一人いちにんを案内に立たせまして、流罪人取締の屋敷へまいりますると、二三の若者が抜刀ばっとうで立って居ります。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あの酔漢よっぱらい丸山本妙寺まるやまほんみょうじ中屋敷に住む人で、元は小出こいで様の御家来であったが、身持みもちが悪く、酒色しゅしょくふけり、折々おり/\抜刀すっぱぬきなどして人をおどかし乱暴を働いて市中しちゅう横行おうぎょうし、或時あるときは料理屋へあがり込み
刹那、匕首どすが閃めいた。綱五郎が抜刀ぬいて飛びかかったのである。再度悲鳴が聞こえた時には、生首を銜えた男の手に、血まみれの匕首が持たれ、その足許に綱五郎が斃れていた。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
抜刀ぬきの脇差が転がって居りますが、それは後になって、此佐渡屋の先代の脇差で、使い手も無いまま、納戸の用箪笥の中に入れてあったものと解っただけの事でした。
大井は抜刀ばつたうを手にして新塾に這入はひつて来た。先づ寝所しんじよあたゝかみをさぐつてあたりを見廻して、便所の口に来て、立ちまつた。しばらくして便所の戸に手を掛けて開けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)