“ぬきみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
抜刀40.5%
抜身35.1%
拔刀12.2%
拔身4.1%
拔刄4.1%
抜剣2.7%
抜刃1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ほかの者も、総て抜刀ぬきみを引っげているのだ。どの顔も皆、まなじりをつりあげ、革襷かわだすきをかけ、股立ももだちくくって、尋常な血相ではなかった。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつのまにか、卜斎ぼくさい蛾次郎がじろうのまわりには、十数槍すうそう抜身ぬきみ穂尖ほさき、音もせずに、ただ光だけをギラギラさせて、すすきのようにえならんでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、この儘では、大井久我之助樣もお氣がお濟みになるまい。拔刀ぬきみで脅かされた私も、町人ながら諦めきれません」
拔身ぬきみの脇差が轉がつて居りますが、それは後になつて、この佐渡屋の先代の脇差で、使ひ手もないまゝ、納戸なんど用箪笥ようだんすの中に入れてあつたものと解つただけの事でした。
八五郎が持つて來たのは、紺糸こんいと柄卷つかまきをした、手頃の脇差が一とふり。血だらけの拔刄ぬきみのまゝで、その血がにかはのやうにねばり附いてゐるのも無氣味です。
さっきもおれアうっかり踏んむと、殺しに来たと思いやがったンだね、いきなりおけの後ろから抜剣ぬきみ清兵やつが飛び出しやがって、おいらアもうちっとで娑婆しゃばにお別れよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
不意に藪を分けて一人、日下部欽之丞の行手に立ちふさがりました。羅紗らしゃの陣羽織、細雨をしのぐ陣笠、抜刃ぬきみのままの一刀を側構えに、一寸ちょっとの油断も無い気組です。
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)