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拔刀
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ぬきみ
ふりがな文庫
“
拔刀
(
ぬきみ
)” の例文
新字:
抜刀
叔父の與三郎は、物も言はずに、お信をかき退けると、
拔刀
(
ぬきみ
)
を葛籠から引き拔いて、二三度手を滑らせ乍ら、あわて氣味に蓋をあけました。
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、この儘では、大井久我之助樣もお氣がお濟みになるまい。
拔刀
(
ぬきみ
)
で脅かされた私も、町人ながら諦めきれません」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると今まで藤屋彌太郎の入つて居た棺には、
背後
(
うしろ
)
の板を突き貫いて、血だらけの
拔刀
(
ぬきみ
)
が五六寸、壇の灯を受けて、紫色になつて居るではありませんか。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
綱の端は舞臺の上を通つて樂屋の二階の
梁
(
はり
)
に結ばれたものですが、その梁のところの結び目に、
拔刀
(
ぬきみ
)
の匕首を挾んであつたさうで、綱の上に乘つて、いろ/\の藝をしたお鈴が
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ツイ今しがた、
拔刀
(
ぬきみ
)
で俺を追つかけた浪人だ。あれは滅多に間違へる人相ぢやねえ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
そして、自分の持つて居た
拔刀
(
ぬきみ
)
で首筋を
貫
(
つらぬ
)
いて、聲も立てずに死んでしまつたのです。
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鞘を洗ふやうに、右手にそつと置いた來國俊の
拔刀
(
ぬきみ
)
、そのまゝ引つ掴んで立上つた富山七之助、物も言はさず、障子から顏を出して笑つて居る秋山彌十の面上へ存分に喰はせたのです。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その後を追つて部屋に入り、直八がお駒を抱へ込む
隙
(
すき
)
に、其處に置いた
拔刀
(
ぬきみ
)
を取つて、後ろから刺し、息の絶えるのを見ると、何とはなしに下手人を
誤魔化
(
ごまか
)
すつもりで、再び死體に目隱しをさせ
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お信が立ち
竦
(
すく
)
んだのも無理はありません。押入の下の段に入れてあつた大一番の
葛籠
(
つゞら
)
は蓋をしたまゝ、上から
拔刀
(
ぬきみ
)
がズブリと突つ立つて、葛籠から漏れた血が、押入の床板を赤黒く染めて居るのです。
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丹之丞の手には早くも
拔刀
(
ぬきみ
)
が、
連
(
つら
)
ねた灯にギラリと光ります。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分の前ぢやねえ、
拔刀
(
ぬきみ
)
の前で腰を拔かしたらう」
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
拔
部首:⼿
8画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“拔”で始まる語句
拔
拔群
拔出
拔目
拔荷
拔身
拔放
拔足
拔道
拔駈