拔身ぬきみ)” の例文
新字:抜身
はなれて追行おひゆく折柄をりから火附盜賊改ひつけたうぞくあらための組與力くみよりき笠原粂之進と云者手先兩人を引連ひきつれて今此所を通り掛りけるが文右衞門拔身ぬきみを振て久兵衞を追駈おひかけ行を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
拔身ぬきみの脇差が轉がつて居りますが、それは後になつて、この佐渡屋の先代の脇差で、使ひ手もないまゝ、納戸なんど用箪笥ようだんすの中に入れてあつたものと解つただけの事でした。
つとをりますといへば越前守殿夫れは知れたこと又われは文右衞門が宅へ何時いつゆきたるやと尋ねらるゝに久兵衞私しは文右衞門が拔身ぬきみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
血の附いた脇差が、拔身ぬきみのまゝ、死骸の後ろの箪笥の上に載せてあります。
なす者の申口に當月廿二日の夜丑滿頃うしみつごろさふらひ體の者二人をこぢ明て入來り一人は拔身ぬきみもち一人は私しをとらへて此きず療治れうぢいたせ然もなくば切殺きりころすと申候につきよんどころ無療治れうぢ致し膏藥かうやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)