“ばっとう”の漢字の書き方と例文
語句割合
抜刀100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宛如さながら、狂人、乱心のものと覚えたが、いまの気高い姿にも、あわてゝあとへ退かうとしないで、ひよろりとしながら前へ出る時、垂々たらたらと血のしたたるばかり抜刀ばっとうさえが、みゃくを打つてぎらりとして
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だれかれの容赦なくブッタぎるぞと、だんなさま抜刀ばっとうあそばされた。佐平治がおしずめもうしあげるまで、けっして広書院のほうへ、でてはなりませぬ。命がおしくば、ちかづくでない! ……。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
もっとも、作事奉行さくじぶぎょう棟梁とうりょう工匠目付こうしょうめつけも、四方にかけあるいている使番つかいばんもすべてかみ鎧装がいそう陣羽織じんばおりしも小具足こぐそく、ことに人夫にんぷを使っているものなどは抜刀ばっとうをさげて指揮しきしているありさま。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)