“垂々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たらたら62.1%
たら/\17.2%
だらだら6.9%
なんなん6.9%
だらり3.4%
ぽたぽた3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああ、垂々たらたらと血が出た。それをどうにもし得ないんだ。じゃ、天王寺の境内で、猿曳を拾上げたって何の功にもなりゃしない。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あまりの労働はたらきはねあひだ垂々たら/\と、あせか、しぶきか、羽先はさきつたつて、みづへぽた/\とちるのが、ごといろづいて真赤まつかあふれる。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寂しい、美しい女が、花の雲から下りたように、すっとかげって、おなじ堀を垂々だらだらりに、町へ続く長い坂を、胸をやわらかに袖を合せ、肩をほっそりとすそを浮かせて、宙にただようばかり。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
○今朝麻布狸穴まみあなにて、疾病しっぺい、飢餓、交々こもごも起り、往来に卒倒して死に垂々なんなんとせる屑屋あり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
垂々だらりと見せた立膝で、長火鉢の前にさしむかいになった形を、世に有るものとも思わなかった、地獄の絵かとながめながら、涙の暗闇やみのみだれ髪、はらはらとかかる白い手の、つかんだこぶし俯伏うつぶせに
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と俊吉のみはる目に、胸を開くと、手巾ハンケチを当てた。見ると、顔の色が真蒼まっさおになるとともに、垂々ぽたぽたと血に染まるのが、あふれて、わななく指をれる。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)