垂々なんなん)” の例文
○今朝麻布狸穴まみあなにて、疾病しっぺい、飢餓、交々こもごも起り、往来に卒倒して死に垂々なんなんとせる屑屋あり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから、今世紀二十年代の限定出版として有名な「生体解剖要綱ヴィヴィセクション」、ハルトマンの「小脳疾患者の徴候学ディ・ジンプトマトロギイ・デル・クラインヒルン・エルクランクンゲン」等の部類に至るまで、まさに千五百冊に垂々なんなんとする医学史的な整列だった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)