“抜剣”のいろいろな読み方と例文
旧字:拔劍
読み方割合
ぬきみ50.0%
ばっけん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身体じゅう真黒な人が老栓の前に突立って、その二つの眼玉から抜剣ぬきみのような鋭い光を浴びせかけた時、老栓はいつもの半分ほどに縮こまった。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
さっきもおれアうっかり踏んむと、殺しに来たと思いやがったンだね、いきなりおけの後ろから抜剣ぬきみ清兵やつが飛び出しやがって、おいらアもうちっとで娑婆しゃばにお別れよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
一喝いっかつして首筋をつかみたる様子にて、じょうの内外一方ひとかたならず騒擾そうじょうし、表門警護の看守巡査は、いずれも抜剣ばっけんにて非常をいましめしほどなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
抜剣ばっけんしたまま駈け違う騎馬隊の間を、装甲車がすべっていった。義勇隊を乗せた自動車、それを運転する外国婦人、機関銃隊の間を飛ぶ伝令。——市街は全く総動員の状態に変化し始めた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)