“猪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いのしし35.4%
しし26.6%
8.3%
しゝ5.2%
ゐのしゝ4.7%
じし4.2%
いのこ3.6%
ゐのしし3.6%
ちょ2.1%
いのしゝ1.6%
1.6%
いぬしゝ1.0%
いぬしし0.5%
ぶた0.5%
ゐのこ0.5%
イノコ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いのししと熊とが、まるっきり違った動物であるように、人間同志でも、まるっきり違った生きものである場合がたいへん多いと思います。
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
僕の身の軽いのは、山奥に育って、猿やししと一緒に暮したからだ、君のスポーツとやらとは少しばかり仕込みが違うだけの事だよ。
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
が、争われないのは、不具者かたわ相格そうごう、肩つきばかりは、みじめらしくしょんぼりして、の熊入道もがっくり投首の抜衣紋ぬきえもんで居たんだよ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
案「狼は出ねえが、うわばみしゝが出まさア、なアに出ても飛道具とびどうぐウ持っているから大丈夫でいじょうぶでござりやす、あんた方の荷物をお出しなせえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ゐのしゝきばこさへました、ほんにさいでござります、御覧ごらうじまし。』と莞爾々々にこ/\しながら、てのひららしてせたところを、二人ふたり一個ひとつづゝつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小藤次の期待は反対になって、雲霧は、暴れじしみたいに迫った。子を取り上げた小藤次は、かえって、その子が邪魔になって来た。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……で先頃から、この涿県たくけんに流れてきて、山野のいのこを狩って肉をほふり、それを市にひさいで露命をつないでおるような状態です。おわらい下さい。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして猟をすると、きじはと山鶏やまどりうさぎ穴熊あなぐまなど、面白いほどとれましたし、ときには、大きな鹿しかゐのししなどもとれました。
悪魔の宝 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
ふたりが痴話ちわけているまン中の部屋で、ひとりちょかいみたいな寝相ねぞうをして、朝の鏡に目をこすり「わるい悪戯いたずらをしやあがる」と顔の墨汁すみをあらい落して怒らぬところもあった男だ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、前へのめるかと見た曲者は、これも恐ろしい腕利きで、クルリと立直つて、今度は正面からいのしゝ突きに、サツ、サツ、サツと突いて來たんださうで——
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
のはん、何んぞ用だツか。」と、若女將のお光は、煑物の香や酒の香の染み込んだらしい、醤油のやうな色をした竹格子の奧の板場から聲をかけた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
猪子いぬしゝしてママおほきなものよ、大方おほかたいぬしゝなか王様わうさま彼様あんな三角形さんかくなりかんむりて、まちて、して、わたし母様おつかさんはしうへとほるのであらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「あのウいぬしし。」
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこで試みにぶたの毛で虫のひげをつッついたが、それでも動かなかったので少年はまた笑った。そこでまた幾回も幾回もつッついた。すると虫は怒りたって、いきなり進んでいった。
促織 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
まして夏の日の峯とそばだち秋の夕の鱗とつらなり、あるは蝶と飛びゐのこと奔りて緩くもはやくも空行くが、おのれから為す業ならばこそ、皆風のさすことなるを何取り出でゝ憎むに足るべき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ウマノ刻ニ、アルジノ親シキ者、イノコノ肉卜酒トヲタズサエテ、オトナイ来ラン、ソノ人、東ヨリ来テ、コノ家ニ、悲シミヲモタラス。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)