“初蝉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はつぜみ85.7%
はつせみ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初蝉はつぜみが鳴き金魚売りが通る。それでも子供の声がすると「また、ひろ子のやつが——」とつぶやきながらまきは駆け出して行つた。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
初蝉はつぜみの声が静かだった。ふだんはもうでる人も極めて稀な貴船山きぶねやま奥之社おくのやしろに、今し方、誰か柏手かしわでを打って拝殿のあたりから去って行く気配と思うと
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
城の奥は、若葉のみどりにつつまれて、時折、初蝉はつせみの声がするほか、じゃくとしている。しかもなお今朝から登城した諸将で退さがって来るものは一名もなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)