“葉桜”の読み方と例文
読み方割合
はざくら100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて五日ごろの月は葉桜はざくらしげみからうすく光って見える、その下を蝙蝠こうもりたり顔にひらひらとかなたこなたへ飛んでいる。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つゝみの上に長くよこたはる葉桜はざくら木立こだち此方こなたの岸から望めばおそろしいほど真暗まつくらになり
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そこへ庭の葉桜はざくらの枝から毛虫が一匹転げ落ちました。
手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
初がつおが出だしたと聞いては、江戸っ子など、もう矢もたてもたまらずやりくり算段……、いや借金してまで、その生きのいいところをさっとおろして、なにはさておき、まず一杯という段取りに出ないではいられなかったらしく、未だに葉桜はざくらごろの人の頭にピンと来るものがある。
いなせな縞の初鰹 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
土手どてあがつた時には葉桜はざくらのかげは小暗をぐらく水をへだてた人家じんかにはが見えた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
酒の廻りしためおもて紅色くれないさしたるが、一体みにくからぬ上年齢としばえ葉桜はざくらにおい無くなりしというまでならねば、女振り十段も先刻さきより上りて婀娜あだッぽいいい年増としまなり。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
葉桜はざくらの上に輝きそめた夕月ゆふづきの光がいかにもすゞしい。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)