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葉桜
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はざくら
ふりがな文庫
“
葉桜
(
はざくら
)” の例文
やがて五日
頃
(
ごろ
)
の月は
葉桜
(
はざくら
)
の
繁
(
しげ
)
みから
薄
(
うす
)
く光って見える、その下を
蝙蝠
(
こうもり
)
が
得
(
え
)
たり顔にひらひらとかなたこなたへ飛んでいる。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
土手
(
どて
)
へ
上
(
あが
)
つた時には
葉桜
(
はざくら
)
のかげは
早
(
は
)
や
小暗
(
をぐら
)
く水を
隔
(
へだ
)
てた
人家
(
じんか
)
には
灯
(
ひ
)
が見えた。吹きはらふ
河風
(
かはかぜ
)
に
桜
(
さくら
)
の
病葉
(
わくらば
)
がはら/\散る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
西日
(
にしび
)
を受けたトタン屋根は波がたにぎらぎらかがやいています。そこへ庭の
葉桜
(
はざくら
)
の枝から毛虫が一匹転げ落ちました。
手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
未だに
葉桜
(
はざくら
)
ごろの人の頭にピンと来るものがある。
いなせな縞の初鰹
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
酒の廻りしため
面
(
おもて
)
に
紅色
(
くれない
)
さしたるが、一体
醜
(
みにく
)
からぬ上
年齢
(
としばえ
)
も
葉桜
(
はざくら
)
の
匂
(
におい
)
無くなりしというまでならねば、女振り十段も
先刻
(
さき
)
より上りて
婀娜
(
あだ
)
ッぽいいい
年増
(
としま
)
なり。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
堤
(
つゝみ
)
の上に長く
横
(
よこた
)
はる
葉桜
(
はざくら
)
の
木立
(
こだち
)
は
此方
(
こなた
)
の岸から望めば
恐
(
おそろ
)
しいほど
真暗
(
まつくら
)
になり、
一時
(
いちじ
)
は
面白
(
おもしろ
)
いやうに引きつゞいて動いてゐた
荷船
(
にぶね
)
はいつの
間
(
ま
)
にか一
艘
(
さう
)
残らず上流の
方
(
はう
)
に消えてしまつて
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
葉桜
(
はざくら
)
の上に輝きそめた
夕月
(
ゆふづき
)
の光がいかにも
凉
(
すゞ
)
しい。
滑
(
なめらか
)
な満潮の水は「お前どこ
行
(
ゆ
)
く」と
流行唄
(
はやりうた
)
にもあるやうにいかにも
投遣
(
なげや
)
つた
風
(
ふう
)
に
心持
(
こゝろもち
)
よく流れてゐる。
宗匠
(
そうしやう
)
は目をつぶつて
独
(
ひとり
)
で
鼻唄
(
はなうた
)
をうたつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“葉桜”の解説
葉桜(はざくら)とは、桜の花が散り若葉が出始めた頃から新緑で覆われた時期までの桜の木、またはその様を言う。
『葉ざくらや奈良に二日の泊り客(与謝蕪村)』、『葉ざくらや人に知られぬ昼あそび(永井荷風)』のように夏の季語として用いられる。
(出典:Wikipedia)
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
桜
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
“葉”で始まる語句
葉
葉巻
葉鶏頭
葉末
葉蘭
葉蔭
葉書
葉叢
葉越
葉摺