“紅色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
べにいろ63.0%
こうしょく10.9%
くれない6.5%
あかいろ6.5%
くれなゐ6.5%
あかみ4.3%
こうしよく2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八のふかくしながら、せたまつろう眼先めさきを、ちらとかすめたのは、うぐいすふんをいれて使つかうという、近頃ちかごろはやりの紅色べにいろ糠袋ぬかぶくろだった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
暗緑色の松と、晩霞ばんかの濃い紫と、この夕日の空の紅色こうしょくとは独り東京のみならず日本の風土特有の色彩である。
燐みを乞う切ない眼の潤み、若い女の心の張った時の常の血の上った頬の紅色くれない、誰が見てもいじらしいものであった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「まことにおそおおうございますが、陛下へいかのは、あそこにえる紅色あかいろちいさなほしでございます。」と、うらなしゃこたえました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうおとするを見れば、斯は如何に紅色くれなゐの洋装婦人と踊り狂へる六尺ゆたかの洋人の其の鼻もつととびに似たるが、床の滑かなるに足踏み辷らして、大山のくづるゝ如く倒れしなりけり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
日來ひごろ快濶にして物に鬱する事などの夢にもなかりし時頼の氣風何時いつしか變りて、うれはしげに思ひわづらふ朝夕の樣ただならず、紅色あかみを帶びしつや/\しき頬の色少しく蒼ざめて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
青々あを/\しげつたまつやもみなどの常緑樹じようりよくじゆあひだにそまつた紅葉もみぢは、いろ配合はいごうで、紅色こうしよくがきはだつて、てりはえ、また、みづうみぬま溪流けいりゆうまへにしても、やはりいちだんと、うつくしくえます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)