紅色くれない)” の例文
燐みを乞う切ない眼の潤み、若い女の心の張った時の常の血の上った頬の紅色くれない、誰が見てもいじらしいものであった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
地平線の上にかいなを長くさしのべなば、われはもゆるかの土と紅色くれない石榴ざくろとに触れもやせん。金光きんこう燦爛さんらんたる国土かな。鳥飛ばず、曇りもえせず、色もあせざる空の下。
酒の廻りしためおもて紅色くれないさしたるが、一体みにくからぬ上年齢としばえ葉桜はざくらにおい無くなりしというまでならねば、女振り十段も先刻さきより上りて婀娜あだッぽいいい年増としまなり。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
裸形ニュージテエ紅色くれないの気高き女体美の庭。