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紅色
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べにいろ
ふりがな文庫
“
紅色
(
べにいろ
)” の例文
八の
字
(
じ
)
を
深
(
ふか
)
くしながら、
寄
(
よ
)
せた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼先
(
めさき
)
を、ちらとかすめたのは、
鶯
(
うぐいす
)
の
糞
(
ふん
)
をいれて
使
(
つか
)
うという、
近頃
(
ちかごろ
)
はやりの
紅色
(
べにいろ
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「どうなさったのですか?」と、そばに
咲
(
さ
)
いていた、うす
紅色
(
べにいろ
)
をしたなでしこの
花
(
はな
)
が、はじらうように
頭
(
あたま
)
をかしげてたずねました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なんのッて、ひらひらと来る
紅色
(
べにいろ
)
の葉から、すぐに吸いつけるように
煙草
(
たばこ
)
を吹かした。が、何分にも鋳掛屋じゃあ
納
(
おさま
)
りませんな。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
扉は全面に陰っているので、今までは
判
(
わか
)
らなかったが、今かの女が近寄ってみると、ぽちぽちと
紅色
(
べにいろ
)
の新芽が、無数に蔦の
蔓
(
つる
)
から生えていた。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
板高く結った島田髷、それに懸けられた
金奴
(
きんやっこ
)
、頸細く肩低く、腰の辺りは煙っていた。
紅色
(
べにいろ
)
勝った振り袖が、ばったりと地へ垂れそうであった。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
叔父さんの
家
(
うち
)
には祖先伝来の宝として、
天竺徳兵衛
(
てんじくとくべえ
)
が
暹羅
(
シャム
)
から持ってきたという大きな
紅色
(
べにいろ
)
のダイヤモンドがあります。
紅色ダイヤ
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
やまざくらのように
緑色
(
みどりいろ
)
の
若葉
(
わかば
)
をもつもの、
生
(
い
)
け
垣
(
がき
)
に
多
(
おほ
)
いかなめもちのように
紅色
(
べにいろ
)
のうつくしい
若芽
(
わかめ
)
をもつものもあり
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
紅色
(
べにいろ
)
に塗った太い車の輪が自分の足に触れたかと思うほど
際
(
きわ
)
どく回った。と思うと、喞筒は一直線に坂を
馳
(
か
)
け上がった。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細いもの、太くてずんぐりしたもの、
稜角
(
りようかく
)
が顕著なもの、色が白茶けたもの、少し
紅色
(
べにいろ
)
を帯びたもの、芳香の強いもの、形や味は、まつたく千差万別である。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
まあ! どんなことになっていたと思って? とてもひどいことになっちゃったのよ! あんなにいい
匂
(
にお
)
いがして、あんなにとりどりのきれいな
紅色
(
べにいろ
)
をしていた美しい薔薇が
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
その
頬
(
ほお
)
の
紅色
(
べにいろ
)
や、
瘠方
(
やせかた
)
で
察
(
さっ
)
するに
彼
(
かれ
)
にはもう
肺病
(
はいびょう
)
の
初期
(
しょき
)
が
萌
(
き
)
ざしているのであろう。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
裏の畑にでもできたらしい
紅色
(
べにいろ
)
した新鮮な
水蜜桃
(
すゐみつたう
)
が、盆の上に転つてゐた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
花蓋片
(
かがいへん
)
の中央
紅色
(
べにいろ
)
の深いものはベニスジユリと
唱
(
とな
)
え
珍重
(
ちんちょう
)
せられるが、これは園芸的の品である。ハクオウというのは、
花蓋片
(
かがいへん
)
が白くて
斑点
(
はんてん
)
なく中央に
黄筋
(
きすじ
)
の通っているもので、これも園芸品である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
うす
紅色
(
べにいろ
)
は
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
庭
(
にわ
)
には、はげいとうや、しおんのような、
秋草
(
あきくさ
)
が
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れていました。
中
(
なか
)
にも、うす
紅色
(
べにいろ
)
のコスモスの
花
(
はな
)
がみごとでした。
少年と秋の日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
気疾
(
きばや
)
なのががらりと開けると、中は
真赤
(
まっか
)
、
紅色
(
べにいろ
)
に
颯
(
さっ
)
と透通るように光って、一畳ばかり丸くこう、畳の目が一ツ一ツ見えるようだッたてこッてす。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
読者諸君は、塚原俊夫君の取り扱った「
紅色
(
べにいろ
)
ダイヤ」事件というのを記憶していてくださるだろうと思います。
紫外線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
紅色
(
べにいろ
)
の火光、ここらあたりまでポッと明るい。相青眼の二本のつるぎ、その中でキラキラと輝いている。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この手拭が湯に
染
(
そま
)
った上へ、赤い
縞
(
しま
)
が流れ出したのでちょっと見ると
紅色
(
べにいろ
)
に見える。おれはこの手拭を行きも帰りも、汽車に乗ってもあるいても、常にぶら下げている。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其頬
(
そのほゝ
)
の
紅色
(
べにいろ
)
や、
瘠方
(
やせかた
)
で
察
(
さつ
)
するに
彼
(
かれ
)
にはもう
肺病
(
はいびやう
)
の
初期
(
しよき
)
が
萠
(
き
)
ざしてゐるのであらう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
停車場には、日光帰りとみえる、
紅色
(
べにいろ
)
をした西洋人の姿などが見えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お
庭
(
にわ
)
の
垣根
(
かきね
)
のところには、コスモスの
花
(
はな
)
が、
白
(
しろ
)
、うす
紅色
(
べにいろ
)
と、いろいろに
美
(
うつく
)
しく
咲
(
さ
)
いていました。
赤
(
あか
)
とんぼが、
止
(
と
)
まったり、
飛
(
と
)
びたったりしています。
夕雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
途中で見た
上阪
(
のぼりざか
)
の中途に、ばりばりと月に
凍
(
い
)
てた
廻縁
(
まわりえん
)
の
総硝子
(
そうがらす
)
。
紅色
(
べにいろ
)
の屋号の電燈が怪しき流星のごとき光を放つ。峰から
見透
(
みとお
)
しに高い四階は落着かない。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
私
(
わたし
)
に、ちょっと
貸
(
か
)
してくんなさい。」といって、
娘
(
むすめ
)
たちは、
美
(
うつく
)
しい、うす
紅色
(
べにいろ
)
と
水色
(
みずいろ
)
の
模様
(
もよう
)
のついた
日
(
ひ
)
がさを
借
(
か
)
りて、
喜
(
よろこ
)
んで、それをさしてみました。
日がさとちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雲
(
くも
)
は
白
(
しろ
)
く
山
(
やま
)
は
蒼
(
あを
)
く、
風
(
かぜ
)
のやうに、
水
(
みづ
)
のやうに、
颯
(
さつ
)
と
青
(
あを
)
く、
颯
(
さつ
)
と
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えるばかりで、
黒髪
(
くろかみ
)
濃
(
こ
)
い
緑
(
みどり
)
、
山椿
(
やまつばき
)
の
一輪
(
いちりん
)
紅色
(
べにいろ
)
をした
褄
(
つま
)
に
擬
(
まが
)
ふやうな
色
(
いろ
)
さへ、
手
(
て
)
がゝりは
全然
(
まるで
)
ない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は、じっと
目
(
め
)
をこらして、うす
紅色
(
べにいろ
)
の
空
(
そら
)
から、二
羽
(
わ
)
のはとが、いまにもぽつんと
黒
(
くろ
)
い
点
(
てん
)
のようにあらわれて、こちらへかけてきて、だんだん
大
(
おお
)
きくなるような
気
(
き
)
がしたのです。
はととりんご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今しがた
小雨
(
こさめ
)
が降って、お天気が上ると、お
前様
(
めえさま
)
、雨よりは大きい
紅色
(
べにいろ
)
の露がぽったりぽったりする、あの桃の木の下の
許
(
とこ
)
さ、
背戸口
(
せどぐち
)
から
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、紫色の
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
さして出てござって
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの
枝
(
えだ
)
に
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くのは、いつのことか。」と、ちらちらと
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
日
(
ひ
)
に、
外
(
そと
)
をながめながら
思
(
おも
)
ったのが、はや、くっきりと
枝
(
えだ
)
全体
(
ぜんたい
)
にうす
紅色
(
べにいろ
)
を
帯
(
お
)
びて、さんご
樹
(
じゅ
)
を
見
(
み
)
るような
気
(
き
)
がするのです。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
☆
石竹色
(
せきちくいろ
)
──
石竹
(
せきちく
)
の
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
。うすい
紅色
(
べにいろ
)
。ピンク。
高い木と子供の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、うす
紅色
(
べにいろ
)
をした
花
(
はな
)
は、いいました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“紅色”の解説
紅色(べにいろ、くれないいろ)は、鮮やかな赤色。名は、キク科の紅花の汁で染めた濃い赤による。JIS慣用色名では「あざやかな赤」(略号 vv-R)と定義している。
紅花から抽出される紅色は、染料や化粧、食用の着色料として使用されている。
(出典:Wikipedia)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“紅”で始まる語句
紅
紅葉
紅蓮
紅絹
紅玉
紅白粉
紅梅
紅殻
紅味
紅々