“黒髪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろかみ76.7%
かみ13.3%
くろげ3.3%
こくはつ3.3%
ブルネット3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みどりなす黒髪くろかみまくらみだるゝおとかんじて、つめたいまでさむくしながらも
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にょッきと、星の空にそびえた一本の白樺しらかば、その高き枝にみどりの黒髪くろかみ風に吹かして、腰かけていたひとりの美少女、心なくしてふと見れば
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しばらく念仏して目をひらきしに、橋の上二けんばかりへだてて、年齢としのころ三十あまりと見ゆる女白く青ざめたる㒵に黒髪くろかみをみだしかけ
八雲やくもさす出雲いづも子等こら黒髪くろかみ吉野よしぬかはおきになづさふ 〔巻三・四三〇〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
きらりとひか金属きんぞくのもとに、黒髪くろかみうつくしい襟足えりあしががっくりとまへにうちのめつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
武男は涙をふりはらいつつ、浪子の黒髪かみをかいなで「ああもうこんな話はよそうじゃないか。早く養生して、よくなッて、ねエ浪さん、二人で長生きして、金婚式をしようじゃないか」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
これから気をけてると、黒髪かみも人知れず染め、鏡を朝晩にながめ、御召物のしま華美はでなのをり、忌言葉いみことばは聞いたばかりでいやな御顔をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
という形で、くくり枕の上へ、こう鉄漿おはぐろの口を開けて持出すと、もう寝返りも出来ないで、壁の方に片寝でいたお母さんがね、麻の顱巻はちまきかかった黒髪かみがこぼれて横顔で振向いた。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けたたましい悲鳴が聞えて、白地の浴衣を、扱帯しごき蹴出けだしも、だらだらと血だらけのおんなの姿が、蚊帳の目が裂けて出る、と行燈あんどう真赤まっかになって、蒼い細い顔が、黒髪かみかぶりながら黒雲の中へ、ばったり倒れた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ながき黒髪くろげのその中に、
ふるさと (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
肩にるる黒髪こくはつ風にゆらぎのぼあさひに全身かがやけば
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ところが夫人おくさん、だいたいが、トリエステの早代りさえも映ろうという僕の眼に、そんなものは、てんから不必要なのですよ。たしかシュテッヘは、黒髪ブルネットで、細い唇よりの髭と、三角の顎髯あごひげをつけておりましたね。そして、だいたいの眼鼻立ちや輪廓が、艇長と大差なかったのではありませんか」
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)