“背戸口”の読み方と例文
読み方割合
せどぐち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
背戸口せどぐちは、充満みちみち山霧やまぎりで、しゅうの雲をく如く、みきなかばを其の霧でおおはれた、三抱みかかえ四抱よかかえとちが、すく/\と並んで居た。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これを樽入たるいれ、笊転ざるころがしなどといって、そっと背戸口せどぐちからからの容器を持込もちこみ、知らぬ間に持って行くのが普通だったが、或いは竿さおのさきに樽をわえて、高塀たかべいの外からぶら下げるという例も多く
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とうとう表通りだけでは、気が済まなくなったと見えて、まえ申した、その背戸口せどぐち搦手からめてのな、川を一つ隔てた小松原の奥深くり込んで、うろつくようになったそうで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)