“谷戸口”の読み方と例文
読み方割合
やとぐち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この土手へ出ちゃ、何時いつまでもこうしていますのに、ただいては、谷戸口やとぐちの番人のようでおかしゅうござんすから、いつかッからはじめたんですわ。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つらを並べて、ひょろひょろと蔭日向かげひなたやぶの前だの、谷戸口やとぐちだの、山の根なんぞを練りながら今の唄を唄いますのが、三人と、五人ずつ、一組や二組ではござりませんで。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青田の高低たかひくふもと凸凹でいりに従うて、やわらかにのんどりした、この一巻ひとまきの布は、朝霞には白地の手拭てぬぐい、夕焼にはあかねの襟、たすきになり帯になり、はてすすきもすそになって、今もある通り、村はずれの谷戸口やとぐち
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)