“蔭日向”の読み方と例文
読み方割合
かげひなた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうした複雑な、蔭日向かげひなたのある、人と人との戦いの多い、大人の世界の方へ何時の間にか捨吉も出て来たような気がした。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(腰をかがめつつ、おさうるがごとくたなそこを挙げて制す)何とも相済まぬ儀じゃ。海の住居すまい難有ありがたさにれて、蔭日向かげひなた、雲の往来ゆききに、うしおの色の変ると同様。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あとを濁さないように——というお松の日頃の心がけは、この際に最もよく現われ、いつも蔭日向かげひなたのない与八の心情もまた、こういう際によくうつります。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)