“日向臭”の読み方と例文
読み方割合
ひなたくさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまちすうツと枕の近くにあの日向臭ひなたくさい匂がして来て、掛け布団をもく/\持ち上げながら、天鵞絨びろうどのやうな柔かい毛の物体が這入つて来た。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
日にけて真黒になり日向臭ひなたくさい、又丹三郎は江戸育ちのお侍で男振も好く小綺麗でございますから、猶更多助が厭で実に邪見にする事まる一年、その間一つ寝もせず振付けられても
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼女は猫に特有な日向臭ひなたくさい毛皮の匂を嗅がされ、ザラ/\と皮膚に引つかゝるやうな、痛痒いたがゆい舌ざはりを顔ぢゆうに感じた。そして、突然、たまらなく可愛くなつて来て
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)