“尤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もっと59.5%
もつと26.3%
もっとも7.2%
もつとも2.6%
とが2.2%
ゆう1.5%
モツトモ0.2%
いと0.1%
とがむ0.1%
もツと0.1%
えら0.1%
はなは0.1%
もっ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
原因は食えないからというだけで、もっとも時々は失恋自殺もあるのだが、後者の方は都会のそれと同じことで、村人の話題になっても陽気ではある。
禅僧 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
もっともそれはボーナス月で、私の様な貧乏人の財布にもいくらかまとまった金が入っているはずでしたから、女房の間違えたのも無理はありません。
盗難 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もつとも御所持の御什器ごじふきのうちには贋物にせものも数かず有之これあり、この「かなりや」ほど確かなる品は一つも御所持御座なく候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「石川五右衞門の歌ぢやないが、盜人と惡者の種は盡きないよ、——もつとも世の中に病人が一人もなくなつて、醫者の暮しが立たなくなりや別だが」
誠にこの勧工場というものは、明治時代の感じをあらわす一つのもっともなるものであって、私共にとっては忘れられない懐かしいものの一つである。
新古細句銀座通 (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
それももっともには候へども歌よみにそんなむつかしい事を注文致し候はば、古今以後ほとんど新しい歌がないと申さねば相成間敷まじく候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
生意氣にもあたしは、おおもつともだと思つた。姪や甥の乳母のやうに、抱いたり背負つたりして暮してゐる彼女を、日頃いとしいと思つてゐたので、
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
もつとも棺の幅を非常に狭くして死体は棺で動かぬようにして置けば花でつめるというのは日本のおが屑などと違ってほんの愛嬌に振撒て置くのかも知れん。
死後 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
就中なかんずく、かの犬臨終に尊者の窮乏を忘れず、遺言してこの百金を尊者に奉ったと取り出して捧げると、その金に眼がくれて一切とがめず
今日はことして来にけるを、得堪えたへず心のとがむらん風情ふぜいにてたたずめる姿すがた限無かぎりななまめきて見ゆ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ゆう太守のむすめで幼な名を庚娘こうじょうというのを夫人に迎えたが、綺麗きれいなうえに賢明であったから、夫婦の間もいたってむつましかった。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そしてこの稀有けうな出来事を、一生のうちでもいまわしい見聞のゆうなるものとして、みな少しも早く記憶から消し去ろうとするものの如くであった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
モツトモ、寺方でも、候人サブラヒビトや、奴隷ヤツコの人数を揃へて、妨げませう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
凡隊中患難クハンナン相救アヒスクヒ 困厄コンヤク相護アヒマモリ 義気ギキセメ 条理ヂヤウリ相糺アヒタダシ 若クハ独断ドクダン果激クハゲキ 儕輩サイハイサマタゲヲ成シ 若クハ儕輩サイハイ相推アヒオシ ジヨウジイキホヒニテ他人ノサマタゲヲ為ス 是モツトモツヽシム 可キ所 アヘテ アルヒハオカス勿レ
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)
一八六四年版、ピエロッチの『パレスタイン風俗口碑記』に、アラブ人が馬を愛重する有様などをいと面白く書いた。
全国新聞雑誌の新年号が馬の話で読者を飽かすはず故、あり触れた和漢の故事を述べてまたその話かと言わるるをおそれ、唐訳の律蔵よりいとも目出たい智馬ちばの譚を約説して祝辞に代え
又想ふに、彼は決して自らとがむるところなど有るに非ずして、だそのせい多羞シャイなるが故のみか、未だ知るべからず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今は疑ふべくもあらず、彼はまさしく人目を避けんと為るなり。すなはち人を懼るるなり。故は、自らとがむるなり。彼は果して何者ならん、と貫一はいよいよ深く怪みぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あつ時分じぶんぢやが、理屈りくつをいふとうではあるまい、わしいたせいか、婦人をんな温気ぬくみか、あらつてくれるみづいゝ工合ぐあひみる、もツとたちみづやはらかぢやさうな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もツとのこれからふゆになりましてやま宛然まるでこほつてしまひ、かはがけ不残のこらずゆきになりましても、貴僧あなた行水ぎやうずゐあそばした彼処あすこばかりはみづかくれません、うしていきりがちます。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馬「木地きじで化粧なしで綺麗だから、何うも得て何処か悪いとこの有るもんだが、こりゃア疵気きずけなしのえらい玉で」
はなはしきものすくなし、く教ふるをもて従ひぬ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
併し是は決して大勢では無く今も云う通り当人が、逃廻ったのと梯子段から落た為に様々の傷が附たのです矢張り一人と一人の闘いです一ツも大勢を対手と云う証拠は有ません(荻)併し遺恨と云う証拠は(大)其証拠が仲々入組いりくんだ議論です気永くおきゝを願いますもっとも是ばかりは私しにも充分には分りません唯遺恨と云う事丈が分ったので其外の詳しい所は到底本人に聞く外は仕方が有ません
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)