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尤
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もつと
ふりがな文庫
“
尤
(
もつと
)” の例文
「
尤
(
もつと
)
も信心の衆は、加持祈祷をして貰つたと言つちや金を持つて行く。が、鐵心道人はどうしても受取らねえ。
罰
(
ばち
)
の當つた話で——」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もつと
)
も生物の死滅は個体として、種属として、又全体より見て、如何にしても免れぬことで、生命の飛躍といひ、霊魂の不滅といふも
愛人と厭人
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
成金のお客は勿論、当の薄雲太夫にした所で、そんな事は夢にもないと思つてゐる。
尤
(
もつと
)
もさう思つたのも
可愛
(
かはい
)
さうだが無理ぢやない。
南瓜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
文化賞か何んかで別口の利用法が工夫される位のものだ。
尤
(
もつと
)
も極く
稀
(
ま
)
れには、棚上げした純小説の作家を取り下して来ることはある。
百万人のそして唯一人の文学
(新字旧仮名)
/
青野季吉
(著)
つまり僕のいふ
尤
(
もつと
)
もかんじんなことは、何時も出來るだけ隱れて歩かなければならない生きものは、からだを何處に置いたらよいか
末野女
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
尤
(
もつと
)
も、負けても
實
(
じつ
)
はおごつて
頂
(
いたゞ
)
く方が
多
(
おほ
)
かつたがどういふのかこの
師弟
(
してい
)
の
勝負
(
せうふ
)
はとかくだれ
勝
(
か
)
ちで、
仕舞
(
しま
)
ひには
兩
(
れう
)
方
共
(
とも
)
憂鬱
(
ゆううつ
)
になつて
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
尤
(
もつと
)
も
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
渡
(
わた
)
るほどの
大事
(
おほごと
)
なのではないが、
本街道
(
ほんかいだう
)
には
些
(
ち
)
と
難儀
(
なんぎ
)
過
(
す
)
ぎて、なか/\
馬
(
うま
)
などが
歩行
(
ある
)
かれる
訳
(
わけ
)
のものではないので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
尤
(
もつと
)
も銀之助は
拠
(
よんどころ
)
ない用事が有ると言つて出て行つて、日暮になつても未だ帰つて来なかつたので、日誌と鍵とは丑松が預つて置いた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
尤
(
もつと
)
もさういへば
壯
(
さかり
)
の
頃
(
ころ
)
でも
俺
(
お
)
らあ
知
(
し
)
つてからは
仕事
(
しごと
)
は
上手
(
じやうず
)
で
行
(
や
)
ると
出
(
だ
)
しちやみつしら
行
(
や
)
る
樣
(
やう
)
だつけが、
好
(
す
)
きぢやねえ
鹽梅
(
あんべえ
)
だつけのさな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
尤
(
もつと
)
も取返しが附いて
旧
(
もと
)
の身の上になつたからつて、
些
(
ちつ
)
とも好い事はない、もつと
不好
(
いけな
)
い事もあつた……で、
臥反
(
ねがへ
)
りを打つて、心の中で
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
實
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
すと
私
(
わたし
)
も
疑
(
うたが
)
つてゐるのです。
然
(
しか
)
し
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたくし
)
は
或時
(
あるとき
)
は
死
(
し
)
なん
者
(
もの
)
のやうな
感
(
かんじ
)
もするですがな。
其
(
そ
)
れは
時時
(
とき/″\
)
恁
(
か
)
う
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
があるです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
僕は
端
(
はし
)
なくも篠田さんが
曾
(
かつ
)
て『労働者中
尤
(
もつと
)
も早く自覚するものは、
尤
(
もつと
)
も世人に
軽蔑
(
けいべつ
)
されて、尤も生活の悲惨を尽くしてる坑夫であらう』
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
おん身若し我に
先
(
さきだ
)
ちて妻を持たば、婚禮の日に
三鞭酒
(
シヤンパニエ
)
二瓶を飮ませ給へ。われ。
尤
(
もつと
)
も好し、その酒をば君こそ我に飮ましめ給はめ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『無い筈はないでせう。
尤
(
もつと
)
も
此辺
(
このへん
)
では、戸籍上の名と
家
(
うち
)
で呼ぶ名と違ふのがありますよ。』と、健は
喙
(
くち
)
を容れた。そして
老女
(
としより
)
に
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
坂の上にも下にも人の
姿
(
すがた
)
は見えないので、幸ひ羞しいおもひもしなくてすんだのである。
尤
(
もつと
)
も見られたとて大して羞しがることでもない。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
尤
(
もつと
)
も
元
(
もと
)
は
一面
(
いちめん
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
だつたとかで、それを
切
(
き
)
り
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
に
根丈
(
ねだけ
)
は
掘
(
ほ
)
り
返
(
かへ
)
さずに
土堤
(
どて
)
の
中
(
なか
)
に
埋
(
うめ
)
て
置
(
お
)
いたから、
地
(
ぢ
)
は
存外
(
ぞんぐわい
)
緊
(
しま
)
つてゐますからねと
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いや
串談
(
じようだん
)
ではなし
札幌
(
さつぽろ
)
の
病院長
(
びようゐんちやう
)
に
任
(
にん
)
じられて
都合次第
(
つがふしだい
)
明日
(
あす
)
にも
出立
(
しゆつたつ
)
せねばならず、
尤
(
もつと
)
も
突然
(
だしぬけ
)
といふではなく
斯
(
か
)
うとは
大底
(
たいてい
)
しれて
居
(
お
)
りしが
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
尤
(
もつと
)
も
道路
(
どうろ
)
或
(
あるひ
)
は
堤防
(
ていぼう
)
が
搖
(
ゆ
)
り
下
(
さが
)
りに
因
(
よ
)
つて
地割
(
ぢわ
)
れを
起
(
おこ
)
すこともあるが、それは
單
(
たん
)
に
開
(
ひら
)
いたまゝであつて、
開閉
(
かいへい
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すものではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
以て此段申上奉り候明日は吉日に付御
親子
(
しんし
)
御
對顏
(
たいがん
)
の御
規式
(
ぎしき
)
を御取計ひ仕り候
尤
(
もつと
)
も
重役
(
ぢうやく
)
伊豆守越前役宅
迄
(
まで
)
參られ天一坊樣へ御
元服
(
げんぷく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼等の言ひ分は重々
尤
(
もつと
)
もであると思ふが、また
我輩
(
わがはい
)
善蔵君としても、震災以来のナンについてはやはり
遺憾
(
ゐかん
)
に思つてゐるんだ。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
少年労働者の中でも彼は頑強で気が荒いので幅をきかせでゐた、それ
故
(
ゆゑ
)
他の少年等も彼の云ふことには一々
尤
(
もつと
)
もだと云つてそれに味方した。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
たゞのさ/\立廻りあるくばかり也。
尤
(
もつと
)
も悪きことはせず。至つて正直なる
由
(
よし
)
なり。
此処
(
ここ
)
にては山女は見ず。又其
沙汰
(
さた
)
も無し
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伝
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く
聖約翰
(
せいヨハネ
)
は
荒野
(
あれの
)
の
蝗虫
(
いなご
)
を
食
(
しよく
)
にされたとか、それなら
余程
(
よほど
)
食
(
た
)
べずばなるまい。
尤
(
もつと
)
も
約翰様
(
ヨハネさま
)
と
吾々風情
(
われわれふぜい
)
とは
人柄
(
ひとがら
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
字引を
繰
(
く
)
り/\やつてみると、手紙も
亦
(
また
)
造作もなく書けた、
尤
(
もつと
)
も余り名文でもなかつたかも知れぬが、兎に角意味の通じる程には書けた積りだ。
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
世
(
よ
)
に
傳
(
つた
)
はる
攝養法
(
せつやうはふ
)
に
種々
(
しゆ/″\
)
ありと
雖
(
いへど
)
も、
余
(
よ
)
の
實驗
(
じつけん
)
に
由
(
よ
)
れば、
尤
(
もつと
)
も
簡易
(
かんい
)
にして
尤
(
もつと
)
も
巧驗
(
こうけん
)
あるものは
冷水浴
(
れいすゐよく
)
の
他
(
た
)
にあらざる
可
(
べ
)
し。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
尤
(
もつと
)
も、われとわが身を悪くいふ癖も、名古屋人間の無くて七癖の一つかも知れぬ。筆者は典型的の名古屋人なのである。
名古屋スケッチ
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
尤
(
もつと
)
も、
古
(
いにしへ
)
の
和名
(
わめい
)
に
漢字
(
かんじ
)
を
充當
(
じうたう
)
したのが、
漢音
(
かんおん
)
の
讀
(
よ
)
み
方
(
かた
)
の
變化
(
へんくわ
)
に
伴
(
とも
)
なうて、
和名
(
わめい
)
が
改變
(
かいへん
)
せられた
例
(
れい
)
は、
古代
(
こだい
)
から
澤山
(
たくさん
)
ある。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
彼は今日、
重
(
ママ
)
欝なのだ。
卓子
(
テーブル
)
に肘を突いたまゝ、ゆつくり煙を揚げてゐる。
尤
(
もつと
)
も喫つてゐるものだけはうまさうだが。
夭折した富永太郎
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
「はゝゝゝは。間違ひでもあつちやならないと
云
(
い
)
ふのかね。
尤
(
もつと
)
もだよ。この道ばかりは
全
(
まつた
)
く油断がならないからな。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「それはあるかも知れないわ。」おつゆには夫の平生の
尤
(
もつと
)
もらしい言ひ草はたわいないことのやうに思ひ出された。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
尤
(
もつと
)
も春作は安価の為め失敗せしもので、main crop は一昨日より出荷を始め候へばこれにて何とか当分の
遣繰
(
やりくり
)
付く事と存ぜられ候。(後略)
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
尤
(
もつと
)
も手洗所の設備が次第に普及して
行
(
ゆ
)
くやうだから衛生的に新しい習慣が生じつつあることは十分に想像せられる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
透谷庵主、透谷橋外の市寓に
倦
(
う
)
みて、近頃
高輪
(
たかなわ
)
の閑地に新庵を結べり。樹
幽
(
かすか
)
に水清く、
尤
(
もつと
)
も浄念を養ふに便あり。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
余は一週日の猶予を請ひて、とやかうと思ひ煩ふうち、我生涯にて
尤
(
もつと
)
も悲痛を覚えさせたる二通の書状に接しぬ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたし
)
の
父
(
ちゝ
)
は
初
(
はじ
)
め
小
(
ちひ
)
さな
士族
(
しぞく
)
として、
家屋
(
かをく
)
と、
宅地
(
たくち
)
と、
其
(
そ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
の
少
(
すこ
)
しの
山
(
やま
)
と、
金祿公債證書
(
きんろくこうさいしようしよ
)
の
何
(
なん
)
百
圓
(
ゑん
)
かを
所有
(
しよいう
)
してゐたが、
私
(
わたし
)
が
家督
(
かとく
)
を
相續
(
さうぞく
)
した
頃
(
ころ
)
には
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
何の
機会
(
きつかけ
)
からか、話は、信仰問題に落ちた。
尤
(
もつと
)
も二人共に
基督教
(
キリストけう
)
へ籍を置くゆゑ、自然そこへ行つたのだらう。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
○
今人
(
こんじん
)
は今人のみ、古人の
則
(
のり
)
に従ふを要せずと。
尤
(
もつと
)
もの事なり。
後人
(
こうじん
)
亦
(
また
)
斯
(
か
)
く言はんか、それも尤もの事なり。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「ウヽ、
芳賀
(
はが
)
君の
今日
(
こんにち
)
あることを、わしは
夙
(
つと
)
に知つとつた。芳賀君は
尤
(
もつと
)
も頭脳も
秀
(
ひい
)
でてをつたが、彼は山陽の言うた、才子で無うて真に刻苦する人ぢやつた」
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
諸君の不満は
尤
(
もつと
)
もだ。この会社の処置を不当として、われわれは受諾できないことを、経営者側に僕は責任を
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
さて
展覽會
(
てんらんくわい
)
の
當日
(
たうじつ
)
、
恐
(
おそ
)
らく
全校
(
ぜんかう
)
數百
(
すうひやく
)
の
生徒中
(
せいとちゆう
)
尤
(
もつと
)
も
胸
(
むね
)
を
轟
(
とゞろ
)
かして、
展覽室
(
てんらんしつ
)
に
入
(
い
)
つた
者
(
もの
)
は
自分
(
じぶん
)
であらう。
※畫室
(
づぐわしつ
)
は
既
(
すで
)
に
生徒
(
せいと
)
及
(
およ
)
び
生徒
(
せいと
)
の
父兄姉妹
(
ふけいしまい
)
で
充滿
(
いつぱい
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
尤
(
もつと
)
もこれには主義のある事で、自分が
出入
(
ではいり
)
するのに
扉
(
と
)
は是非開けなければならぬが、それを閉めて置かなければならぬ何等の理由も発見出来ないからださうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
瓦廻
(
かはらまわ
)
しを
遣
(
や
)
る、
鞦韆飛
(
ぶらんことび
)
を
遣
(
や
)
る、石ぶつけでも、
相撲
(
すまふ
)
でも
撃剣
(
げきけん
)
の
真似
(
まね
)
でも、
悪作劇
(
わるいたずら
)
は
何
(
なん
)
でも
好
(
すき
)
でした、(
尤
(
もつと
)
も
唯今
(
たゞいま
)
でも
余
(
あま
)
り
嫌
(
きら
)
ひの
方
(
はう
)
ではない)
然
(
しか
)
るに
山田
(
やまだ
)
は
極
(
ごく
)
温厚
(
おんこう
)
で
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
尤
(
もつと
)
も俺は此の
家
(
うち
)
の
寄生蟲
(
きせいちう
)
だからな。」と自分を
貶
(
けな
)
しつけても見て、「此の家から謂つたら、俺は確に
謀叛人
(
むほんにん
)
だが、俺から謂つたら、此の家の空氣は俺に適しない、 ...
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
その
樣
(
やう
)
な
易
(
やす
)
い
書物
(
しよもつ
)
に
向
(
むか
)
つても
意味
(
いみ
)
が
容易
(
ようい
)
に
取
(
とれ
)
ない、
尤
(
もつと
)
も
唯
(
た
)
だ
直譯
(
ちよくやく
)
して
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
はどうか
解
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
るらしいが、
後
(
あと
)
で
如何
(
どん
)
な
意味
(
いみ
)
かと
糺
(
たゞ
)
して
見
(
み
)
ると
殆
(
ほとん
)
ど
解
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
ないやうである。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
型を押したやうな父の週末の帰宅は、蘆屋で病院を経営するかたはら、大阪の大学病院へも出て忙しいためだとの母親の言葉は、
尤
(
もつと
)
もらしかつたが、修一は
欺
(
だま
)
されなかつた。
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
おい、
熊
(
くま
)
ども。きさまらのしたことは
尤
(
もつと
)
もだ。けれどもなおれたちだつて仕方ない。生きてゐるにはきものも着なけあいけないんだ。おまへたちが魚をとるやうなもんだぜ。
氷河鼠の毛皮
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
尤
(
もつと
)
もまだ「綜合文化」というような怪物をかかげて「今の科學者は物質萬能で人生を解しない」などという批難をする者がある。併しながら科學は本來物的現象の學問である。
唯物史観と文学
(旧字旧仮名)
/
平林初之輔
(著)
尤
(
もつと
)
も外へ出ますと
夜鷹蕎麦
(
よたかそば
)
でも
何
(
なん
)
でもありますから
貴所方
(
あなたがた
)
のお
銭
(
あし
)
で
御勝手
(
ごかつて
)
に
召上
(
めしあが
)
りまして。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
南信濃、殊に私の住んでゐる諏訪地方などには、この詞が
尤
(
もつと
)
もよく当て
嵌
(
は
)
まるのである。
諏訪湖畔冬の生活
(新字旧仮名)
/
島木赤彦
(著)
同時に世間に利益を与へる事を
以
(
もつ
)
て
尤
(
もつと
)
も近代的な、また最も賢明なる事業と考へて居る。
翻訳製造株式会社
(新字旧仮名)
/
戸川秋骨
(著)
“尤”の解説
尤(ゆう)は漢姓の一つ。『百家姓』の19番目の姓である。中国の福建省と台湾に多い。2020年の中華人民共和国の統計では人数順の上位100姓に入っていないが、台湾の2018年の統計では85番目に多い姓で、32,176人がいる。
現在の多くは王審知が閩の王となった時、閩国内の「沈」姓が同音の「審」を忌避するために改姓したものだと見られる。
(出典:Wikipedia)
尤
漢検準1級
部首:⼪
4画
“尤”を含む語句
尤物
御尤
尤至極
見尤
不尤
尤之次第
尤千万
尤様
尤異
御尤様
御無理御尤
罪尤
至極尤
蚩尤