長い戦争をはさんで、まる七年目に、京野等志は、変りはてた祖国の土を踏み、漠然と父母兄弟がそのまゝ以前のところに住んでいるなら、という期待だけで、自然に東京へ向つて二昼夜の汽車の旅をつづけて来たのである。彼は途中、ふらふらと大阪で降りた。同行 …
| 著者 | 岸田国士 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 彼を待つもの「キング 第二十六巻第四号」1950(昭和25)年4月1日、はるかなる青春「キング 第二十六巻第五号」1950(昭和25)年5月1日、〔欠題〕「キン |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約4時間39分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約7時間44分(300文字/分) |