“此辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:此邊
読み方割合
このへん34.5%
このあたり20.7%
こゝら10.3%
ここ6.9%
ここら6.9%
こゝ6.9%
こけいら3.4%
このほとり3.4%
こんあたり3.4%
こゝいら3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
エヘヽヽ此辺このへんでは如何いかゞさまで。書生「ヤーこれいのー幾許いくらぢや、うむそれは安いの、うてかう。銭入ぜにいれからだいはらつて立帰たちかへりました。 ...
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると何時いつにかいまあがつたやまぎてまた一ツやまちかづいてた、此辺このあたりしばらくのあひだ広々ひろ/″\として、前刻さツきとほつた本街道ほんかいだうよりつとはゞひろい、なだらかな一筋道すぢみち
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文「それは御親切な事で、併し今も亭主から聞きましたが、大分此辺こゝら盗人ぬすびとが居って、婦人などを勾引かどわかすとか申しますが、全く左様な事があるのでございましょうか」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「此処が県立病院です。十年の役には例の私学校でしたから、此辺ここが官軍の標的になったらしいです。石垣に砲弾の痕があるでしょう」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
東京者ではない、田舎の此辺ここらの、しかも余りうちでない家の児であるとは一目に思い取られた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
仙「ハヽア此の鴻の台は上矢切だ、此辺こゝに悪い奴がかくれて居るのかも知れねえ、何か手係りになる事も有ろうから、船を市川口へけよう」
全体ぜんてい此辺こけいら浜方はまかたが近いにしちゃア魚が少ねえ、鯛に比目魚ひらめめばるむつ、それでなけりゃア方頭魚あまでいと毎日の御馳走が極っているのに、料理かたがいろ/\して喰わせるのが上手だぜ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仕立やの隣りには此辺このほとりにて余り見ぬほど立派な西洋小間物を商ふ家がありましたが、例のシヤツ、靴足袋くつたび襟捲えりまきなどが華やかにブラさがつて居るうち
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
久能山辺くのうざんあたりに於ては、森の中から、時々、(興津鯛おきつだいが食べたい、燈籠とうろうの油がこぼれるぞよ。)なぞと声の聞える事を、此辺こんあたりでもまざ/\と信じてる。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「あの小柄な檀那衆はいつも今時分此辺こゝいら徜徉ぶらついてるな。」