“このへん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
此邊44.4%
此辺37.0%
此処7.4%
斯辺3.7%
此篇3.7%
這辺3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此邊このへんまではるのだ。迂路うろつきまわるのですでに三以上いじやうあるいたにかゝはらず、一かう疲勞ひらうせぬ。此時このときすで打石斧だせきふ十四五ほん二人ふたりひろつてた。
もし此辺このへんにてこの禁をおかせば、必ず波風大きに起りてあやうきことあり。三味線はねこの皮にて張りたるものなれば、鼠のむ故なりとぞ云々
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「へえ」と思わず返辞をして、彼は四辺あたりを見廻わした。すでに此処このへんは千日前で、時刻は夜の八時前、人の出盛る真最中、せ返えるような人いきれで、楽には呼吸いきさえ出来ない程であった。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よく蕎麦そばの花の咲く頃には斯辺このへんからも労苦を忘れる為に出掛けるものがあるといふことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
積善せきぜんの家には餘慶よけいあり積惡せきあくの家には餘殃よあうありとむべなるかな此篇このへんのする所の村井長庵の如きおもて醫術いじゆつわざとし内は佞邪奸惡ねいじやかんあくほしいまゝにしておのれ榮利えいりつくさんとほつす然れども天網てんまういかで此惡漢わるものを通さん其とがめを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
這辺このへんの一種云うべからざる愉快な感情は経験ある人にして初めて語ることが出来る。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)