“天網”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんまう50.0%
てんもう50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
魚がどんな惡いことをしたのか知らないが、天網てんまう恢々くわい/\を漁網の嚴密なのに持つて行つて、漁業家の主人を世俗的に喜ばせた筆者の氣轉が思ひやられる。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
とき髮結かみゆひ清三郎は上總かづさ迯行にげゆきし所天網てんまうのががたつひ召捕めしとら拷問がうもんの上殘らず惡事を白状に及びければこれまた引廻ひきまはしの上獄門ごくもん申付られけりさて亦お熊は引廻しのせつうへにはぢやうしたには白無垢しろむく二ツを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
向後きょうこう悪事はいたさぬと改心をしたが、肝腎の金庫かねぐらが無くなって見ると、玄石殆んど路頭に迷う始末だから、已むを得ず幸いに天網てんもうのがれてる貴公達へ、御頼談ごらいだんに及んだのさ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
辰爺さんの曰く、「悧巧なやつは皆東京へ出ちゃって、馬鹿ばかり田舎に残って居るでさァ」と。遮莫さもあれ農をオロカと云うは、天網てんもうい、月日をのろいと云い、大地を動かぬと謂う意味である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)