“引廻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきまわ38.9%
ひきま11.1%
ひきめぐ11.1%
ひんまわ11.1%
ひきまは5.6%
ひきまはし5.6%
ひきまわし5.6%
ひきめぐら5.6%
ひんまア5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山領さんりょう谷の難所をくだり、鬼岩や松原を引廻ひきまわされたので、汗びっしょりになっている私は、とりあえず温泉に一浴を試みる。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
岩石がんせきつるぎのやうに削立つゝたつて荒磯あらいそへんだのを、兵曹へいそう元氣げんきまかせて引廻ひきまはされたので、ひどつかれてしまつた。
滝太郎は黙ってうなずくとひとしく、駒の鼻頭はなづら引廻ひきめぐらした。ひづめの上ること一尺、夕立は手綱を柳の樹に結えられていなないた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その跫音にすらすらと衣服きものの触る音でもしょうなら、魂に綱をつけて、ずるずる引摺ひきず引廻ひんまわされて、胸を引掻ひっかいて、のた打廻るだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殺し金子きんす五百兩うばひ取其のちなほ同所どうしよにて三五郎をも殺害せつがひ致し候段重々ぢう/\不屆至極ふとゞきしごくに付町中まちぢう引廻ひきまはしのうへ千住小塚原に於て獄門ごくもんおこなふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝまた田子たこの伊兵衞は質屋しちや火付盜賊ひつけたうぞく召捕めしとら近々きん/\引廻ひきまはしにでるよしうはさきゝさては我八十りやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
準平は女中の声を聞いて、「なんだ、なんだ」といいつつ、手に行燈あんどうげて厨に出て来た。この時一人の引廻ひきまわしがっぱをた男が暗中よりって、準平に近づいた。準平は行燈をいて奥にった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
満枝は色をして直行を打見遣うちみやりつつ、そのおもて引廻ひきめぐらして、やがてあらかた目戍まもりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
新「何うするたって暑ッ苦しいよ、今友達を連れて来たが、狭いうちにだゞっぴろい大きな蚊帳を引摺り引廻ひんまアして、風が這入らねえのか、暑くって仕様がねえから取るのだ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)