引廻ひきめぐ)” の例文
滝太郎は黙ってうなずくとひとしく、駒の鼻頭はなづら引廻ひきめぐらした。ひづめの上ること一尺、夕立は手綱を柳の樹に結えられていなないた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まず畑のまわりには繩を引廻ひきめぐらして、これに紙のシデがそちこちに垂れてあり、竹の棒も幾本か立ててあって、これにも布片ぬのきれを下げ、またかの焼きかがしを設けている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)