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引廻
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ひきまわ
ふりがな文庫
“
引廻
(
ひきまわ
)” の例文
山領
(
さんりょう
)
谷の難所を
下
(
くだ
)
り、鬼岩や松原を
引廻
(
ひきまわ
)
されたので、汗びっしょりになっている私は、
取
(
とり
)
あえず温泉に一浴を試みる。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
父は出入りの
下役
(
したやく
)
、
淀井
(
よどい
)
の老人を相手に奥の広間、
引廻
(
ひきまわ
)
す
六枚屏風
(
ろくまいびょうぶ
)
の陰でパチリパチリ碁を打つ。折々は手を叩いて、
銚子
(
ちょうし
)
のつけようが悪いと怒鳴る。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尤
(
もっと
)
も、
御堂
(
みどう
)
のうしろから、左右の
廻廊
(
かいろう
)
へ、山の幕を
引廻
(
ひきまわ
)
して、
雑木
(
ぞうき
)
の枝も
墨染
(
すみぞめ
)
に、
其処
(
そこ
)
とも
分
(
わ
)
かず
松風
(
まつかぜ
)
の声。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
罪状および刑罰の宣告を記した
捨札
(
すてふだ
)
を立て、罪人を
引廻
(
ひきまわ
)
す時にも、罪状と刑罰とを記した
幟
(
のぼり
)
を馬の前に立てて市中を引廻したものであるから、法規はこれを秘密にし
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
ある
蔵
(
くら
)
屋敷の客に引かされて天満の老松辺に住んでいたが、酒乱の癖が身に禍いして、兄の吉兵衛に手傷を負わせた為に、大坂じゅう
引廻
(
ひきまわ
)
しの上に獄門の処刑を受けたのであった。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
若き
男女
(
だんじょ
)
の
相倚
(
あいよ
)
り
相戯
(
あいたわむ
)
るるさまに至りては元より枚挙に
遑
(
いとま
)
あらざれど、その
中
(
うち
)
『
英対暖語
(
えいたいだんご
)
』第三巻に男は
屏風
(
びょうぶ
)
引廻
(
ひきまわ
)
したる夜具の上に起直り
楊枝箱
(
ようじばこ
)
片手に
草
(
くさ
)
楊枝を使へば
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
小児
(
こども
)
の背中に、その膝についた手の仕切がなかったら、膚へさぞ
移香
(
うつりが
)
もするだろうと思うように、ふっくりとなだらかに
褄
(
つま
)
を
捌
(
さば
)
いて、こう
引廻
(
ひきまわ
)
した裾が、
小児
(
こども
)
を
庇
(
かば
)
ったように
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浜へ
行
(
ゆ
)
く町から、横に折れて、
背戸口
(
せどぐち
)
を流れる小川の方へ
引廻
(
ひきまわ
)
した
蘆垣
(
あしがき
)
の
蔭
(
かげ
)
から、松林の幹と幹とのなかへ、
襟
(
えり
)
から肩のあたり、くっきりとした
耳許
(
みみもと
)
が
際立
(
きわだ
)
って、帯も
裾
(
すそ
)
も見えないのが
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
廻
漢検準1級
部首:⼵
9画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出